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異世界転移ノ魔術師々  作者: 両翼視前
第五襲 魔具争迅編
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再会は罪であるか?

【ヴェール目線】


 我は歩きながらアイスを1口頬張る。


「美味しぃ~!」


 やっぱり(ヴェール)の金で猛暑の中食うアイスは美味しくて最高じゃな! 身体がキンキンに……。

 キンキン……に…………?


「キンキンに冷えぇえーーん! ぴえぇえーーーーん!」


 無理じゃ、無理。

 こんな猛暑すぎる場所で食うアイスなんて焼け石に水じゃ。死じゃ。


「いいですよね。ヴェールさんは他人の金で買ったアイスにケチ付けて……。私の財布はキンっキンっに冷えきっていますよ…………」


 付き添いでついてくれているハイネの方がめそめそとすすり泣いていた。

 あぁ……、我が超悪かった。この用事が終わったら、今度なんかハイネンと美味しいご飯でも食べに行こう。



「それにしてもヘパイス・リアは暑いですね~! もう汗で服べとべとです」

「建物や衣服に適温で冷えるよう魔術をかけてある。だから、大丈夫なんじゃろうな」


 確かにハイネを横目で見れば汗でべとべと。

 特に胸元。胸が開いた服を着ているから非常にセンシティブで目に困る。

 誰じゃこんな服を着させたのは? こんな服着て許されるのは()()()()()()()()()だけじゃ!

 あっ……、()()()()()()()()()じゃった。


「どうかなさいました?」


 ハイネがこっちをじっと見てくる。

 こう見えても彼女は美人でお姉さん系じゃから、我が心の中の男性心がイチコロじゃ。

 否、我、女性なんじゃけども……。


「うむ、ハイネンは可愛いな」

「今、変なこと考えていましたねぇ~! エッチだ~!」

「エッチだ! とはなんじゃ! エッチだ! とはっ!」


 ――否、エッチなことだと思うけれどもっ!


 あまりの暑さについに二人とも頭が狂い始めた。はよ、アヤツのアトリエに辿り着かねば、熱中症になってダウンしてしまうじゃろう。


「そう言えば、シグレ・ウキさんってどういった方なんですか? ヴェールさんの知り合いならば私、気になります!」

「うむ……、アヤツのことか……」


 ――――シグレ・ウキ。


 エンディミオン魔法総合学園の我の後輩……というよりかは、しつこく付きまとってきた魔具製造科の変人であるが……、卒業後、このヘパイス・リアで立派な魔具師として独立していると聞いた。

 我は別に学園時代に思い入れがないが……、しかして、(勝手についてきた)大切な後輩じゃった。


「我の学園時代の後輩。ハイネンに分かるものと言ったら〈アーク・レインドラ〉の設計者じゃな」

「アっ、アっ、〈アーク・レインドラ〉の設計者なんですか!?」

「声がデカイ! もっと抑えろ!」

 周りの人達から不思議そうに見られ、我はハイネに注意した。

「まさか、ヴェールさんの後輩が作られていたのですね~!」

 ハイネンが目をキラキラと輝かせて言う。我は

「そうじゃな。いろいろあってアレが出来た……。出来てしまったが正しいか」

「出来てしまった……って、あんな空を飛ぶ乗り物で、魔具で、とにかく盛盛でオーバーテクノロジーすぎて凄いじゃないですか! 昔見た異世界の絵本でしか知りません!」

「うむ……異物混入としか思えんのじゃがな……」

 確かにオーバーテクノロジーと言われたらオーバーテクノロジーか?

 この世界の人々が頑張って魔術を唱えている横で、こっちは波動砲をぶっぱしている。


 ――明らかにおかしすぎるじゃろ。ファンタジーの景観をぶち壊しか?


 アヤツの好奇心旺盛な性格がここまでの代物になるとは思わなかった。

 落ちこぼれだったのにたった異世界から持ち帰ってきた本を読んだだけで、異世界(ファンタジー)が壊れるほどの現実的な魔具が出来上がるとは思わなかった。


 ――我はどういう顔をしてアヤツに会えばいい? 眩しすぎるアヤツに勝手に離れたの我じゃぞ。


「ヴェールさん、どうして暗い顔しているんですか? 怖いですよ!」

「そんなにか?」

「後輩と会うのそんなに緊張しているんですか?」

「…………」

「笑顔ですよ! 笑顔っ! しかめっ面はヴェールさんらしくないです!」


 ハイネンが我のほっぺを横に広げてくる。

 少しため息を吐く。我の考えすぎかもしれない。


「分かった。分かったからハイネン。分かったから手を――」

「――――分かっていません! だから、私がヴェールさんのが笑顔になるように魔法をかけます! にこーってなりますように!」


 ――驚いた。

 まさか、ハイネンにあの日と同じことをされるとは思わなかった。


「にこーって!」


 あぁ……、成長している。

 最近は泣いていないし、自身を持って目の前の困難に立ち向かおうとしている。


 まさか、我が元気づけられる日がくるとは思わなかった。


「ふふひっ」

「ちゃんと笑えるじゃないですか!」


 そう言うと、ハイネンは我のほっぺを話して笑う。


「少し緊張しすぎたようじゃな。ありがとう」

「やっぱヴェールさんは笑っていなきゃ! 私の師匠として恥ずかしいと思います!」

「なんじゃ、生意気にも言うようになったな!」


 もちろん、勝手に我から離れた後輩に会いに行くのは怖い。

 それでも、今は弟子や仲間がいるからこそ会うのが怖いと言っている場合ではない。

 キリエンの砕け散った刀の為に、頼れる成長した弟子と共にアヤツがいるだろうアトリエに向かって歩く。


~ヘパイス・リア シグレ・ウキのアトリエへの道中~


「ヴェールさん……、顔怖くなっていません?」

「暑すぎるから仕方ないじゃろ!」

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