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異世界転移ノ魔術師々  作者: 両翼視前
第五襲 魔具争迅編
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ヘパイス・リアの魔具職人 ――シー・ノウ――


 炉から火が溢れ出す。この暖かみはいつの日にかの光りと比べたらまだ冷てェ……!


「不法侵入者めェーーッ!」


 一歩を力強く踏みしめて、部屋を溶かしながらヘパイス・リアの鍛冶師に近づいていく。


「我が工房に、勝手に入ってくるなァーッ!」


 鍛冶師は(オレ)ァに一矢報いようと壁にかけていた黄金の剣を握って向かってきた。だが、

「遅いね」

 鍛冶師の振りが鈍く見えた。だから、右手の人差し指と中指で軽く受け止めることが出来た。


「我がマスターピースを受け止めただとッ!? し、しかもたった2本の指でッ!?」


 これがお()ェのマスターピースだと……?


駄剣(スクラップ)の間違いじゃァーねェーかァーー?」


 2本の指に本の少し力を入れる。

 すると、金色の剣はかちかちと音を立ててひび割れていく。


 ついには粉々に砕けてしまった。


「なっ? 駄剣だろ?」

「ひっ……」

 鍛冶師を見ればぷるぷると震えあがっている。


「でもさぁ、俺ァが打ち直したらマスターピースになるかもなぁ……――【『溶』化(ラヴァー)】ッ!」


 砕け散った剣の刃を瞬時に溶かす。

 あまりの瞬時の出来事に彼は腰を抜かして、怯えていた。


「魔術師は人のため世のため働くんじゃなかったんかァーー!?」

【『硬』化】(ハーダー)!」


 カンッ! と魔鉄の音が鳴り響く。今度は溶かした剣が瞬時に固まり、やがて鈍い銀光りを見せた。


「お前、異世界人でも扱える魔具を作れる魔具職人を知っているか?」

「い、異世界人でも扱える魔具など知ら――」


 完成させた剣を思いっきり鍛冶師に向かって振り下ろす。


「――――【『斬』念(ザンネン)】」


 勢いよく吹き出る血しぶき。目の前でぼとっと落ちる鍛冶師の頭。


「ハズレかぁ……。滅入るなぁ……」


 どうも未だに頭を跳ね落とす音は好きになれない。

 瞬時に打ち直した剣は振り下ろした瞬間、私の魔力に耐えられずに熱々に溶けてしまった。

 

 あぁ、俺もマスターピースを作りてェよ……!


 ――刺して良し……ッ!


 ――――首飛ばして良し……ッッ!


 ――――――胴体真っ二(だぶ)って良し……ッッッ!


 そんな、マスターピースを「俺ァ作ってみてェエーーッ!」


 そして、ハシュウをッ!

 マジアン・マインの伝説をッ!


 全て最強の俺がぶっ潰してやらァーー!


 ♢ ♢ ♢


「う~ん……、流石に僕でも無理かも……」


 ドジは魔具職人らしい。

 「助けたお礼になんでもするよ」と彼女は言うから「魔具職人のセーレ・スプリンクを探している。(キリエ)の大切な旋風刃を直してほしい」と言った。

 すると、ドジはばつの悪そうな顔をしながら、前髪をくるくるといじりだす。

「セーレ・スプリンクのことは……ちょっと今は知らないけど…………、僕も魔具職人だからよかったら見てみるよ」と笑顔で言った。


 あまりにも笑顔でそう答えるから彼女はきっと自信があるに違いない。だから、彼女の追っ手が来ないだろう路地裏で見せたのだが……、

「これは砂……? えっ、刀は……?」

 ――これが刀だ! 今は刀だったものだが……。


「あぁ、気を落とさないで! まだ、見てるし……」

 ドジはそう言うと、私の顔を神妙に見る。





「うーん」






「う~ん……」











「う……ん……」















「やっぱ分かんないかも……!」


 思わぬ一言でその場でずっこける。


「あの長考はなんだったんだ……!?」

「ゴメン! こう見えても僕、プロだから諦めたくなかったんだよ!」


 彼女は「本当にゴメン!」と言って手を合わせて謝ってくる。

 もちろん、善意があって見てくれたのだから、私こそ彼女に感謝しないといけないのだが……、それはそうと、

「なら、私はヴェールに言われた……せ、せえれ? す、すぷりんくらあ? を探そうと思う。一人でお家に帰れるな! じゃあ!」


 そう言って彼女に別れを告げた。


「ねぇ? 僕、まだ諦めてないよ!」

「ん……?」


 彼女を見るとニヤリと笑っている。


「もし、よかったら僕ん家まで送ってよ! セーレ・スプリンクなら知っている」


 彼女の自信ありげな表情。追われていたからここでは話せないことだってあるだろう。


「そういえば」


 せっかく知り合ったのに聞いてないことがあった。


「うん、なぁ~に?」

「ドジの名前はなんだ……?」


 せっかく知り合ったのだから名前ぐらい聞きたい。気に入ったいい人ぐらい名前を覚えておくのが礼儀だと思うからだ。


「シグレ・シラツユ。シグレでいいよ!」


 どこか私の元居た世界に似た響き。彼女ももしかしたら異世界人なのだろうか……?


明けましておめでとうございます!

待たせてごめんネ!

今年こそはヘパイス・リア編を終わらせます!

ブックマークして待ってもらえると嬉しいです!

では、今年もよろしくお願いいたします!

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