表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ゆめわたり

作者: 星野☆明美
掲載日:2021/05/30

「ゆめわたり」


星野☆明美


プロローグ☆世界樹せかいじゅ

こもれびのなか、デルムントはひとり歩いて(あるいて)いた。

苔蒸した(こけむした)肥沃な(ひよくな)大地だいち

靴底くつぞこでふみしめるつちはとてもやわらかくて、ふわふわしていた。

「おや、こんなところに」

ぽつんとちいさな双葉ふたばが生えていた(はえていた)。

こころなし元気げんきがない。

おもむろにデルムントは右手みぎてをかざした。

ぽとぽと。

なにもない空間くうかんからきれいなみずが湧いて出た(わいてでた)。

双葉ふたばはうれしそうにしゃっきりとなった。

「すごいね。いまのどうやったの?」

くすくす笑いわらいごえがして、空中くうちゅうに男のおとこのこが現れた(あらわれた)。

「きみはだれだい?」

「ゆめわたり」

「ああ、だからここへも来れた(これた)んだね」

デルムントは合点がてんがいった。

「これは遠く離れた(とおくはなれた)みずうみみずをすこしだけ拝借はいしゃくしたのさ」

「へええ。ほかにどんなことができるの?」

「まあ、いろいろ」

デルムントはかぶっていた白い(しろい)シルクハットを手に取り(てにとり)所在無げ(しょざいなげ)にしていた。かれは白い(しろい)燕尾服えんびふく姿すがたで、そのふくには色とりどり(いろとりどり)のいしが縫い取り(ぬいとり)してあった。

「きれいだね。きらきらしてる」

男のおとこのこいしをひとつひとつながめて言った(いった)。

「ルビーはすきかい?」

「どれ?」

「赤い(あかい)いしだよ」

「これ?うん、いいね」

「じゃあ、それにまつわるおはなしをしよう」


第一話だいいちわ☆タイムマシン

「ない、ない、ない!」

いくらさがしてもみつからない。

「大事な(だいじな)結婚指輪けっこんゆびわなのに!」

7しちがつ誕生石たんじょうせき・ルビーのついたプラチナの指輪ゆびわがなくなってしまった!たしかに宝石箱ほうせきばこにだいじに保管ほかんしていたはずなのに!

ユリはどうしたらいいのかわからなかった。

そのとき。

「タイムマシンーそれは無限むげん可能性かのうせいを秘めた(ひめた)、時を(ときを)駆ける(かける)装置そうち。あなたにもこの可能性かのうせいがわかってほしい」

テレビのCMコマーシャルでタイムマシンが紹介しょうかいされていた。

ユリはすがりつくようにテレビのまえに座り込む(すわりこむ)と、しばしあたまをめぐらせた。

指輪ゆびわがなくなるまえ過去かこへ行けば(いけば)なんとかなる!」

ユリは、タイムマシン株式会社かぶしきがいしゃくことに決めた(きめた)。

どうしてもおっと指輪ゆびわをなくしたと報告ほうこくしたくなかった。

結婚けっこん三年目さんねんめ。最初の(さいしょの)離婚りこん危機きき。これをなんとかのりこえたかった。

タイムマシン株式会社かぶしきがいしゃにつくと、いくつか質問しつもん注意ちゅういがあった。

過去かこのどの時点じてんにいくのか?目的もくてきはなにか?

一週間前いっしゅうかんまえ金曜日きんようびよる。なくした指輪ゆびわ行方ゆくえがしりたい」

過去かこをかえないこと。自分じぶんに会わない(あわない)こと。

「はい。大丈夫だいじょうぶです」

貯金ちょきんから費用ひようを支払って(しはらって)、ユリは緑色みどりいろのガラスのふたのついた蝸牛かたつむりがたのマシーンにのりこんだ。

金色きんいろ計測器けいそくきはりがぐるぐる回った(まわった)。

赤い(あかい)レバーで場所ばしょを移動した(いどうした)。

ぶううううううううんんんん。

振動しんどうが伝わってくる(つたわってくる)。時間じかんをさかのぼる。

やがて。

ユリは目的もくてき時間じかん場所ばしょへたどりついた。

久しぶり(ひさしぶり)の外食がいしょく夫婦ふうふで出かけて(でかけて)いえにだれもいない。もっていたカギでなかにはいる。

むねがどきどきした。

宝石箱ほうせきばこは?

いつものようにとりだして、フタをあけた。

「あった!」

ピジョン・ブラッドという最高さいこうの赤い(あかい)ルビー。

ここで、ユリは葛藤かっとうがあった。このままもって帰りたい(かえりたい)!

でも、過去かこを変えては(かえては)いけないといわれている。

どうしよう。どうしよう?

ええい!ままよ。

ユリは指輪ゆびわを指に(ゆびに)はめてタイムマシンにもどった。

ぶううううううううんんんん。

もとの時間じかんへ。

タイムマシン株式会社かぶしきがいしゃのひとは、事情じじょうをくわしくきいて、「指輪ゆびわがなくなったのは、タイムマシンでもちかえったからです」といった。

「でも!指輪ゆびわがなくならなければ、タイムマシンにはのらなかったわ!」

ユリが主張しゅちょうしても、みんな、

「そういうものなんですよ」

と言った(いった)。


幕間まくま若木わかぎ

デルムントのはなしをいているあいだ双葉ふたばはぐんぐん成長して(せいちょうして)若木わかぎになった。ゆめわたりの男のおとこのこ不思議ふしぎそうにそれをみまもっていた。

「ねえ、デルムント。ユリは指輪ゆびわ未来みらいへもちかえらなければよかったのに」

「そしたら指輪ゆびわはなくならずにすんだとおもう?」

「でも、指輪ゆびわをもちかえるならなくなった?どっちだろう?」

「タマゴがさきかニワトリか」

「うへえ」

ゆめわたりの男のおとこのこかおをしかめた。

「ところではなしは変わる(かわる)が、ゆめわたりというからにはゆめを渡る(わたる)んだろう?どんなゆめをみてきた?」

「そうだなあ。デルムントはひかりものが好き(すき)?」

「ああ」

「いろんないろかたちのボタンをあつめてる男のおとこのひとがいて、偶然ぐうぜん出会った(であった)おなじ趣味しゅみの女のおんなのひとと、二人ふたりはボタンの交換こうかんをして、結婚けっこんするんだ」

「へえ」

「あと、金平糖こんぺいとうに凝っている(こっている)女のおんなのこがいて、紅茶こうちゃ砂糖さとうの代わり(かわり)にいれて飲むんだ(のむんだ)。くちにふくんで紅茶こうちゃをちびちび。しゃらしゃらの口当たり(くちあたり)」

「きみの協力きょうりょくがあればそこへつれていってあげるよ」

「わあ、ほんとう?」

ゆめわたりの男のおとこのこはとびあがって喜んだ(よろこんだ)。

「あ……でも。この木がどこまで成長する(せいちょうする)のか気になるんだ」

「じゃあ、もう一つ(ひとつ)おはなしをしよう」


第二話だいにわ歯医者はいしゃ

シルバという歯医者はいしゃがいた。いろんな動物どうぶつ虫歯むしばを治して(なおして)そのを轟かせた(とどろかせた)。

宇宙人うちゅうじんが、シルバのうでをみこんで宇宙うちゅうのあちこちにつれていった。

麻酔ますいをかけて、いろんなを治療した。入れいれば宇宙人うちゅうじん技師ぎしがつくってくれた。

シルバは銀河一ぎんがいち歯医者はいしゃと呼ばれた(よばれた)。

あるとき、シルバは自分じぶんの親知らず(おやしらず)が痛くて(いたくて)どうにか治そう(なおそう)としたが、出来なかった(できなかった)。

宇宙人うちゅうじんはシルバを地球ちきゅうにつれかえった。

シルバが宇宙うちゅう活躍かつやくしていたあいだに地球ちきゅうでは何百年なんびゃくねんも経っていた(たっていた)。

歯医者はいしゃを探したが(さがしたが)どこにもいなかった。

総合病院そうごうびょういんにいくと、不思議ふしぎ技術ぎじゅつでいともあっさり親知らず(おやしらず)が消え去って(きえさって)しまった。

虫歯むしばもあっという間に健康けんこうにはえかわった。

「つめものも必要ひつようがないなんて!」

シルバは新しい(あたらしい)技術ぎじゅつを学んだ(まなんだ)。

だけではなく、いろんな病気や怪我びょうきやけがをなおせるようになった。

宇宙人うちゅうじんはもうシルバをひつようとしなかった。かわりに地球ちきゅう治療技術ちりょうぎじゅつだけもっていった。

「もう、歯医者はいしゃという職業しょくぎょうはいらないな」とシルバはためいきをついた。


幕間まくま金平糖こんぺいとう

歯医者はいしゃさんはひつようだよ!」

「そうだね、まだ当分とうぶんのあいだひつようだね」

「遥か(はるか)未来みらいまでみてきたの?」

時空じくうたびしてるからね」

「ぼくもゆめだけじゃなくて時空じくうをわたろうかな?」

すると、デルムントはさびしそうなかおになった。

時空じくうをわたると、帰れなく(かえれなく)なってしまう。やめたほうがいい」

さわさわさわさわ。

ふたりの頭上ずじょうこずえのみどりのおとをたてていた。

「じゃあ、やめとくよ」

男のおとこのこがそういうと、デルムントはにっこり笑った(わらった)。

「このはこのままおおきくなって、世界樹せかいじゅになるだろう」

「すごいね。また見に(みに)こようかな」

「さあて、無事に(ぶじに)見れると(みれると)いいな」

デルムントはひとひといきついてから、いった。

「それじゃ、金平糖こんぺいとうを食べようか(たべようか)?」

「いま、もっているの?」

「いまからつくるのさ」

「だれが?」

すると、なにもなかった空間くうかんから大釜おおがまとザラメとグラニューとう食紅しょくべにが現れた(あらわれた)。

小人こびとがやってきて、ザラメをかくにしてグラニューとうの溶けた(とけた)みずをふりかけながら、大釜おおがまを熱し(ねっし)ながらがらんがらんまわしはじめた。

「ほんとうは時間じかんがとてもかかるんだけどね」

デルムントがウインクすると、ものすごいスピードで小人こびとが働いた(はたらいた)。

砂糖水さとうみずはみるみるうちに大きなかたまりになってゆく。食紅しょくべにで色をつけて、一色ひといろできあがった。

「すごーい」

「しらべたら、チョコレートの金平糖こんぺいとうってのもあるらしい。保存方法ほぞんほうほう大変たいへんそうなきがするけど」

「それもいつかたべたいなぁ」

「そうさな。ほれ、できたてを一個いっこ頬張って(ほおばって)ごらん」

「もごもご」

「なに?」

「あまい」

あははとふたりは笑った(わらった)。

「きみが話していた(はなしていた)紅茶こうちゃの女のおんなのこのところへいこうか?」

「いまから?」

こころなしほっぺが赤く(あかく)なっている。

「そのこのこと好き(すき)なのかい?」

「ち、ちがうよ」

もっと真っまっかになってしまった。


第三話だいさんわ☆小さな(ちいさな)お茶会おちゃかい



お仕事で10000字前後のものを請け負ったのですが、こちらはなかなか進まず、「おばちゃんですが、この度若い娘さんに転生しました!」の方に力が入ってしまって、そちらを提出することにしました。およそ1か月の間に熱発して二週間くらい寝込んでいました。

備忘録代わりに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ