❻優しさの味は少し苦くて嘘味は少し甘かった。
人は嘘をつく…それは人を傷付けもするが救いもする、優しさも同じである。
まぁ…どうでも良いだろう、嘘も優しさもお互い紙一重なんだから……気付けようとして優しくする人間なんてい滅多にいないと思うから自分が正しいと思う行動や発言をしろ、失敗をしない方法は考えるな…失敗した時の対処法を考えろ。
俺は自分が1番大切で自分を信じている…人は嘘を付き続ける、自分を騙して生きて行くんだ…本能だけでは生きて行けなから……。
俺は今、班の表を見ている……実は俺は班を確認してなかったのだ。
しかし、ニューヨークとなると何を持って行くかだ…食品系は申告が面倒なので持って行かないとして……て、氷遥の奴また本読んでな。
「休み時間も読書してんのか?」
「何、悪いかしら?」
「いや悪くないけど、そんなら図書部に行けば良かったんじゃね?」
「本を読むのが好きであって、別に貸出しが好きな訳じゃないの。」
「…だったら部活申請で読書部を……。」
「図書部がいるでしょ?…だから本のある、もう使われてない物置を大谷くんに掃除させて使ってるの。」
やっぱり物置だったんだ、てか隆麻が掃除したんだ。
…ふと氷遥の本のタイトルが目に入った。
『優しさと嘘』
優しさと嘘は紙一重だ、カフェオレを想像すれば解る。
優しさがミルクだとすると嘘はコーヒーだ、ミルクが多い方が優しさでコーヒーが多い方が嘘なのだ。
昔の記憶が蘇る、有名なメールアプリであるREIGNの交換をした女子に既読無視を受けそのまんまソイツ退会しやがった…と言うかアカウントまで消しやがった、俺は特に何もメールもしてなかったのに…なんか無視される様になった。
優しい子だと思ってた…だけどその優しさは嘘だったのだ、俺に見せた笑顔も…もうだから信じないし勘違いはしない、期待はしない…彼奴を俺は助けた事があった。
いつも笑顔だから苦しんでると誰も気づかなかったみたいだが……彼奴は自ら命を断とうとした、だから止めた……俺は別に恩を売ったつもりもないし見返りも求めてないのに彼奴は俺に仇をプレゼントしてくれましたよ、あの目…あの俺を見る目、彼奴を自殺に追い込む元凶になった奴と同じ目をしてた…彼奴は同類なんだ、俺はソイツらとはもう会っていない。
あぁ、嫌な事を思い出した…忘れたくても忘れられない…俺は本当に馬鹿だ。
…俺は頭が悪いが悪知恵だけは働く、例えば俺は本当の事を言う様にしてるが…先生には言わない…面倒な事になるのは嫌だし初対面の奴に目を付けられると面倒だから、基本的に面倒な目には遭いたくない。
俺は使い分ける、すぐに説教を終わらせたい時は素直に謝り授業中は口答えで時間を潰す知能犯なのだ…この前の昼休みは思わず口に出してしまうという痛恨のミスで墓穴を掘って昼休みを潰してしまった。
部活が終わり家に帰ると妹が帰って来ていた。
「よっ!…ただいま。」
「…キモい。」
何その返し…最近、学校で流行ってるのかな?
妹の芽吹は頭はそこまで良くないが運動神経を凄い、金メダルやトロフィーなどを親が家に飾っている…まぁ芽吹はそんな物どうでも良いらしいがな。
負けず嫌い生意気な性格、俺のルックスが普通なのに妹や弟のルックスは高い…妹はクラスでは男子からモテモテ…だがバレンタインで大量のチョコを貰ってくる…友チョコかな?
アニメで良く、『昔は可愛かったのに今では生意気になりやがって…』ってあるがコイツは昔から生意気で可愛げなんて全くない。
弟の柚樹里だって頭が良くて才能が無いのは俺だけだ…芽吹が取って来た金メダルを見て母が、『金メダルって本当にあるの!?』と言っていたからな、父も柚樹里が天才だと褒めていた。
婆ちゃんや爺ちゃんからも怒られてばっかだったなぁ…。
…とカレンダー見ると、あと2週間後に修学旅行が迫ってる事に気付いた。
ニューヨークじゃなくて出来れば、国内が良かったなぁ…京都とか東京とか修学旅行自体をしないとかで良かったんだけどなぁ…。
「ねぇ、早くご飯作って…。」
「わかったよ。」
修学旅行で俺は始めて日本を出る事になる、出来れば日本から出ない方が良かったが…折角だし楽しむか。
産まれて来ちゃってすみませんでした。
【プロフィール】
名前:灰坂 芽吹
A型・14歳 7月6日
現在の部活:バレーボール部
好きな食べ物:シチュー
嫌いな食べ物:ミニトマト
将来の夢:無し
特技:スポーツ全般
【一言】
兄が最近、優し過ぎてキモい。