❸部活とか何か青春ぽい様な気がした。
人生において一番理不尽で不平等な物は時間である、努力しない天才に追い付く為にはかなりの時間を削る…青春の時間さえも、そして努力する天才や真の天才や神才にはどんな時間を費やしても届かない。
…だが関係ない、無駄な時間かどうかを決めるのは自分次第だろうから…大切なのは自分の意志なんだ。
目の前の氷姫は意味深に微笑んだ。
「貴方、さっき廊下でブツかった人ね?」
「あぁ…さっきは済まない。」
「それより…貴方、何でいつもマスクをしてるの?」
「俺の勝手だろ。」
「そう…。」
氷姫こと氷遥が微笑んだ…まぁ俺が勝手に心の中で氷姫って呼んでるだけだがな。
この空気怖い…部活、入部したばかりだが辞めたい。
「そう言えば隆麻、ここって何部なんだ?」
「部活という名の帰宅部ですよ。」
「えっと…どういう事だ?」
この部活は松井先生が要らん事を言い、腹を立てた氷遥が言い返した結果らしい。
…どういう事かと言うと、先生がテストで100点を取れたらどんな要望でも聞くと氷遥に言い、テストのレベルをクソみたいに上げやがって…そのせいでクラス平均は壊滅、そんな中で100点を取った氷遥が部活申請と部室を用意と顧問を要求して出来た部活らしい。
まぁ…帰宅部や文化部の方がマシな部活だろうな、部員は5人…氷遥と隆麻と幽霊部員の2人……俺の様に先生から何だかんだ理由を付けられて入部させられた可哀想な奴等だ、ちなみにその2人の部員は入部の時以外は一度も来ていない、そして今日から俺も部員な訳だ。
「…では任意部へようこそ、灰坂くん。」
「あぁ…。」
「あっ…そうね、来たくないなら来なくて良いから…どうせ数合わせだし、なんならもう帰って良いわよ。」
「いや、帰っても親が勉強勉強うるせぇから残るよ。」
本当に皆んな自由にしてんだな、氷遥は読書で隆麻は…なんで彼奴はリフティングやってんだ?サッカー部行けよ。
部活は…というか運動部は青春の象徴、青春…つまり俺の敵だ。
まぁ、場合によるが文化部は青春度は運動部の半分になる……でこの部活には全くと言っても良い程に青春が感じられない。
それにしても良く隆麻のリフティングがうるさい中で気にせず本を読んでられるよな、生きてる?
「何かしら?」
「あっいや…彼奴がうるせぇのに良く本を読んでられるよなぁ…と思ってな。」
「本を読んでれば気にならないの、だからもう邪魔は辞めてくれる?」
そう良い、氷遥は再び自分の世界に入り込んでしまった。
…そう言えば、此処は何の部屋なんだろうか?…図書室かと思う程に本があるが、パソコンやボールや机にソファー……普通に考えたら物置きだろうな、この部屋を使ってるのは俺達だけみたいだしな。
特に会話を交さずに部活動が終了した、俺は部活動中に宿題を終わらせて家に帰った。
「さーてゲームでもやるか。」
産まれて来てすまん。
【プロフィール】
名前:氷遥 寧明
A型・17歳 1月14日
中学の部活:図書部
好きな食べ物:知って何になるの?
嫌いな食べ物:無し
将来の夢:無し
特技:知る必要があるのかしら?
【一言】
私の事を知って何になると言うのでしょうか?
そもそもプロフィールを書く必要があるのかが、
私には解りかねます。