異世界拉致事件の生存者、現実世界を謳歌する
主人公の日常生活の話
凄く短い
特にこれといった内容はない
事件後、俺を取り巻く環境は激変した。
相変わらず部活動には参加していないが、多くの友達が出来たと思う。
学校に再登校し始めて一ヶ月が経ち、俺は〈活発的なメガネ〉から〈頭が冴える活発的なメガネ〉に進化した。
あの時から妙に力が湧いてきて、それ相応の行動をしてきた俺の成績は学年一位まで上り詰めた。
英数理社一位、第一志望校が模試でA判定取るようになった。
調子が良くなったことに気を良くした親は俺が夜遅くに帰ってきても怒らなくなった。
まあ、成績が良くなって怒る親なんて居ないよね。
世間的にも、私的にも自由を獲得した俺はつい先日パソコンとカメラを購入した。
学校が終わるとすぐに陸上部顔負けの速度で駅へ行き、家に帰ってカメラを持ってゲーセンに向かった。
ゲーセンちカメラを持って何をするのか?
当然動画を撮る。
動画を撮ってどうするか?
ネット上に上げる。
聞いたところによると、世の中には動画を上げて視聴数が多いとお金が貰える動画投稿サイトがあるらしい。
人によってはゲーム実況、商品の紹介、料理の紹介、自作アニメの公開をしていたりするそうだ。
色々とジャンルがあるようで、その中で目をつけたのがゲーセンに関するジャンルだ。
人外の反射神経や空間把握能力を獲得した俺にぴったりだと思わないか。
一先ず撮影なしでクレーンゲームをする。
確率機は場所によっては酷いところがあるらしく、実力機のみをプレイした。
結果は一発で何かのアニメのフィギュアが手に入った。
今度ネットオークションで売ることにしよう。
次は、全国で一般的な“太鼓の神様”をしてみる。
これも問題無さげだった。
改めて動画を撮影する。
ネットで難しい曲を検索して、その曲のフルコンボやエクセレントを出せばそれなりに注目されるんじゃないかと思う。
クレーンゲームは何回かそういった動画を投稿すれば、将来的には視聴回数が多く望めるんじゃないかな。
ありきたりだけど、「クレーンゲームで商品空っぽにしてやった」とかでも十分稼げそうだ。
稼げなくても、ゲーセン運営会社真っ青の一発取りをしているお陰でただネットオークションに流すだけでもだいぶ儲けそうだ。
動画投稿を始めて二ヶ月が経ち、動画の視聴回数がだいぶ増えてきた。
一ヶ月前に一動画あたり平均で八万回再生に到達。
この辺りでゲーセン関連だけでなく、人気ゲームの実況を開始した。
他にも無駄に三重跳び動画や、常識的だがかなり高速の反復横跳び、ペン回しの高難易度の技に挑戦した動画を投稿。
ここにきて順風満帆な人生になったと思う。
最初はクラスメート全員が集団失踪してどうなるかと思ったが、やはりあの事件に遭遇して本当に良かったと思っている。
前に投稿したやつと連載に気がついたのは書いた後の話だった