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41 無心で駆け抜け虫は無視、さらに象もあるぞう

昨日二話更新しているので、読み飛ばしに気をつけてください

 20日目。今日は製油の装置を組む。今までは原油を分離するのに、つきっきりで一日が終わってしまっていたけれど、これを効率化させる。そして揮発性の高い部分が無駄になっていたのを、今回はきちんと取り出せるようにする。溶接が可能になったおかげでこの辺りの装置作りが、地上の街で作っていたときよりも効率化されている。今日は製油装置作成の作業だけで一日が終了してしまった。


日数  項目          金額     個数 合計     所持金   

-----------------------------------------------------------------------------

20日目 食料           -1万2000蝸  1個  -1万2000蝸  16万9800蝸 

20日目 製油装置部品       -3万8000蝸  1個  -3万8000蝸  14万3800蝸 



 21日目。僕は第二層へ向かう。何をしに行くかって?原油の調達だ。製油しようにも原油が無いと始まらない。さて問題はこの原油を取りに行くというプロセスだ。三層と二層を往復するだけであっという間に時間が過ぎてしまう。毎回やっていたら時間がどんどん持って行かれてしまうのだ。そこで僕は一つの策を考えた。採りに行くのが面倒ならば、第二層から第三層に直接原油を引いてしまえば良いのだ。


 ギルドの初心者講習で、穴を掘っても層を超えることは出来ないというのがあった。だからもちろん掘っても無駄だ。しかし僕はあるアイテムを持っている。一時は使えないゴミアイテムだと思ったアレが。そう、転送用リングだ。


 ペアリングの片方を第二層の原油の沼に沈める。そして第三層側のリングから吸引するのだ。すると僕がいちいち移動しなくても、なんと自動的に原油が回収できるのだ。我ながら素晴らしいアイデアだ。


 ということで第三層の日の出と共に出発する。手短に済ませて、アンアンな方々とご対面しないように気をつけないと。そして僕は第二層の出入り口へと向かった。途中、芋虫とか蝶とかカメムシとか色々エンカウントしたが、全てスルーして逃げまくった。昼間は虫しか出ないのか? とにかく虫は無視だ。喜ぶべきか微妙だけど、逃げ足だけは確実に成長している。


 そして第二層まで戻ってくることが出来た。灯油の残りも僅かなので、ここでも極力戦闘は避けたい。そう思っていたのもつかの間、丘を発見してしまう。丘・・・アレって巨象の魔物だよね。


 僕は丘を巨象の魔物に変化させないように、ゆっくり慎重に音を立てず歩く。もし挙動に変化があったら、その時は隠匿の指輪を発動させよう。


 丘を避けながら回り込むようにして進む。するとその先に盛り上がっている地形を発見した。さすがにこれ以上は迂回するのも面倒なので、そのまま登って直進する。すると・・・地面が動き出した。


 う~ん、考えられる可能性をチョイスしよう。


 地震が起こった・・・いや、違うな。僕の真下しか揺れていない。

 僕が某船橋の非公認ゆるキャラのように自分で震動している・・・何のためだ?

 僕は乗ってはいけない物の上に乗ってしまった・・・これだよ、これ!


 おぃぃぃぃ。これって子巨象ってパターンか? 僕は下を見る。いいぇぇい、正解だ。これは絶対に巨像の子供だ。子供なのに動物園で見る象よりも遙かにデカい。


 さて、次の選択は?


 下に向かって火炎放射・・・僕が燃える、勘弁して

 そのまま乗って仲良くなる・・・魔物と仲良くってなれるの? 魔物使いスキルとかあるのかな?

 降りて逃げる・・・無難か?


 ということで僕は無難な選択を採択する。できだけ速やかに地面に着地した。


 ・・・着地失敗。僕は地面の泥濘に足を取られ滑り、そして背中から転ぶ。今回は土下座していない。さっと起き上がり逃げよとしたものの、素敵なことが起きた。子巨象と目が合ったのだ。


「いやぁ奇遇ですね?」

 僕は子巨象に呟く。子巨象は僕に興味を持ったのか、鼻を近づけてくる。無害を装って逃げる、僕はそうプランを立てた。

子巨象の鼻が近づいてくる。僕の心臓はバグバグしている。そして鼻が・・・景色が変わる。


 衝撃を感じた僕は「ボヒャバ」という声を漏らす。たぶん子巨象の鼻で吹っ飛ばされたんだろう。しかしダメージはそれほど受けていない。芋虫の一撃の方がよっぽどヤバかった。僕は倒れた体勢で転がりつつ、草むらへ逃げ込む。第二層は隠れるところが沢山あって助かる。


 さあ逃げよう。子巨象と戦ってうまく仕留めたとしても、次は親との戦いになることが目に見えている。逃げるのが一番だ。隠匿の指輪発動。あってよかった隠匿の指輪。必死に隠れつつ移動した結果、うまく逃げることが出来た。


 そしてようやく原油の沼にたどり着いた。原油の噴き出している場所付近に、用意してあった採取用ユニットを設置する。任務完了。


 さて、早々に終着の村に戻らなければ。


日数  項目          金額     個数 合計     所持金   

-----------------------------------------------------------------------------

21日目 食料            -8000蝸  1個   -8000蝸  13万5800蝸 

21日目 ポンプユニット部品    -1万2000蝸  1個  -1万2000蝸  12万3800蝸 


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