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187 ホットを飲むとホッとする、カフェインをとれるカフェ

 さっきの一撃でゲキカランの魔力は空っぽになった。再チャージまでしばらくかかりそうだ。僕はゲキカランの修復機能を有効にし機体を降りた。そして工場へと送還する。とにかく第九層のボスには勝利した。落ちていた(コア)を回収しよう。


 コアを拾い上げたところで周囲の空間が歪むのを感じた。歪みが収束した先には・・・サドンが立っていた。


「やあアフタ、お疲れ様。まさかブレアよりも早いとは思わなかったよ。さすがだね。」


 どうやらここは個別クリアしたメンバーが合流する場所のようだ。周囲にはサドン以外の姿が無い。


「もしかしてブレアもスコヴィルもまだなの?」

「そのようだ。まあブレアは問題ないと思うが、魔術師のスコヴィルは心配だね。」


 確かに魔術師が限られた空間内で戦闘するのはなかなかに厳しい。接近戦に持ち込まれたら圧倒的に不利な状況となる。


「ところでアフタが戦ったのは六本腕の骨戦士だったのかい?」

「そうだよ。あれはとんでもなく強かった。」

「ああ、僕ですら中々に苦戦する相手だった。クリティカルスキルをいなすように盾で防御し、同時に凄まじい速度で斬撃を打ち込まれたよ。一歩間違えば危なかった。」

「僕も攻撃をまともに食らったときは死ぬかと思ったよ。」

「攻撃を・・・まともに?!」


 サドンは僕の体を食い入るような視線で凝視する。しまった、余計なことを言った。サドンは僕に怪我が無いことを確認するとため息をついた。


「どうやら僕が知らない隠し球があるようだね。本当に敵に回したくないな君は。」


 確かに隠し球だったんだけど、僕が予定していたものとは全然違う。こうなるとリコッテ達の戦意喪失というのを狙うのが難しい。そしてソルトシールの守護者の能力、アレのことを考えると色々と大変な状況が予想される。しかもそれで全てが終わりでは無いのだ。

 

 しばらく何事も無い時間が続く。やはりパーティー全員が揃わないとクリアにならないらしく、僕達はこの場所で待機することになった。魔法の袋(大)から携帯コンロを取り出し、お湯を沸かしてコーヒーを入れた。創世の街では、とうとうそんなものまで売り出し始めたのだ。


「うまいな。まさか仮想(こっち)の世界でコーヒーまで飲める日が来るとは。」

「寿司屋といい、元の世界の文化が増えてきてるね。」


 ちなみにコーヒーをドリップしたのはサドンだ。レストランで修業した関係か、ドリップの手つきもプロっぽかった。彼が修行していたのは、ドリンクバーがある安っぽいレストランでは無いらしい。香りが良いのは豆のおかげだろうけど、このすっきりとした味わいは、ドリップの技術が上手いからこそだ。


「サドンは何でも出来るよね。」


 僕はコーヒーを飲みながら言った。


「それをアフタが言うか? 僕からしてみれば、本当に何でも出来るのは君の方だよ。そういえばお礼がまだだったね。」

「お礼?」

「元の世界での話さ。僕とブレアを助けてくれただろ?」

「ああ、あの件か。」

「話はブレアに聞いた。まさかあの時の恩人とこっちで会うことになるとはね。しかもそれがアフタなんだから、僕は運命というものを確信したよ。間違いなく僕と君は強い絆で結ばれている。」


 いや、結ばれてない、結ばれていないよ、サドン。このスコヴィルが喜びそうな展開。彼女が不在であることに感謝しつつも、まだ合流できないことに不安を感じ始めていた。


 ふと、周囲の空間に揺れを感じる。目の前に現れたのは・・・ブレアだった。


「アフタ、無事で良かった。」

「ブレアこそ。怪我をしているみたいだけど大丈夫?」

「このぐらいは問題ないわ。バーサーカーを使って攻撃精度を落としたのは失敗だった。」


 ブレアは手足に多少の傷を負っていた。どうやらけっこう苦戦したらしい。さて、残りはスコヴィルだけだ。


せっせと小説を書きつつ、裏でAndroid用アプリを作りました。

詳細はこっちに書いています。

http://ncode.syosetu.com/n0762du/

現時点でのダウンロード数は2です。


ちなみにアフタ君と違って生活していけるほど儲かりません。

公開している全てのアプリの収入をぶっちゃけると先月は1600円でした。

ここは笑うところです(;_;)

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