兄との再会?
迷宮で稼いで、薬草・野菜の成長度合いを確認しながら過ごすこと9日間。時折、人避けと獣避けが揺らぐ時があった
ヤバイかな?
揺らぎを感じながらいつでも対応出来るように待機したが破られることが無かった。
許可なく場に入ろうとすると結界は揺らぎ破られる。破られると施してきた人間に余波が来る。怪我したり死んだりするが私が施したのは、軽いものなのでちょっと皮膚が切れる程度
10日目。休みの日として朝から土地に確認しに来た。早いもので、芽が出てきている物語ある。水晶を投下したから水に魔力がこもっていたりして。と野菜や薬草を見ながら地べたに座っていると人避けが揺らぎ始めた。落ち着いた時には、兄が影を飛ばしてきたようで、薄く透けている姿が出てきた
周りを見回してから頷いている。
よい土地だ。と言葉を発したあとに私の姿について淑女としてとかなんとか説教してくるが、一般的に野蛮とか粗忽者とから言われる仕事に就いている妹にそんなことを言って何になるんだ?と思ってしまう。
10分ほど言って満足したのか黙った兄を胡座をかき肘をついてみている私にため息をつくと
「やはり、君を野に放って正解だな。何故他のものたちが声だかに君を欲するか理解できない」と言いやがる
別に女を捨てたわけでもなく、自分が生きやすいように生活を営んでいるだけなのだが。
「あんたの周りでは、私を見ているわけではなく私に付いてくる付加価値を見ているからなんじゃない?貴族に産まれた短命種は次代を孕みやすいし、言うことを聞かせることも簡単。しかも、気に入らなければ、子だけ取って捨てておけば瞬く間に死んでしまう。後腐れなく、次の嫁を貰える」そうでしょ
そう視線で問えば
「そうだな。死んだのも老衰だと言えば、誰も口を出さないだろうし。後ろ暗い者や権力を持つ者にとっては良い嫁だな」納得している。
別にこの兄とは仲が悪くない。利己的な私と私以外の兄弟が大好きな兄とは協力体制を引いていただけだ。
そのため、人となりを一番理解している同士、無駄に争わない程度の仲。私の婚約者というのが私のすぐ上の姉の恋人だったので、身を引くという条件で貴族の籍を抜く手伝いをして貰っただけだ。そもそも会ったこともなく、相手側も私と姉を間違えて認識していたので丁度良い条件だった。私的には痛みはないし、兄的には面倒な事をしなくても妹を幸せに出来る。両方が納得出来る契約を交わしたのだ
「誰か家出をしたとか話が出てましたが。私の後に産まれた子ですか?」吟遊詩人が歌っていた特徴を持つ兄弟はいいなかったと認識している
「愛人の子だ。性懲りもなくな」とため息を付いているからメイドかなにかに手を付けて失敗したのだろう。
「いつも道理ダメダメですね」と乾いた笑いを浮かべると同意したように頷いている。
「何か用が有ったから影を飛ばしたのでしょ?」そう本題を促すと
「面倒な事になってね。君を貴族に戻して側室にあげるとか、言い出した奴等が居てな。君はそんなことをは無いだろうが、抵抗できなくなるようにしてとか危ない事を言っていたから。一応な。君が戻ったって居場所はない。それに王には寵愛されている王妃がいらっしゃる」それを聞いて納得した。
だから、監視されたり攻撃されたりしたのだと。浅はかだなと思ってしまうが、相手側は必死なのだろう
「なるほど。そいつらは、返り討ちにして良いのね。無駄な努力をとか思ってしまうが、そんなに利権が欲しいかね。私なんて終の棲みかを作るのにも苦労しているに」と笑うと
「人それぞれだからな。なんとも言えないのが事実だ」と笑っている。兄は自分の大切な兄弟と家族(嫁と子供)が居れば何もいらない。という人だしな
ふと思い出したように
「君は、茶水晶と紅水晶は採取出来るかい?」と聞かれたので、数次第だと答えると
「共に200ほど欲しいだが。息子と嫁に贈り物として必要なんだ」と言っている。場所によるが
「出来る」答えると頷きながらなにやらしたため始めた
「君の所属ギルドは商業ギルドだね。指定依頼を掛けておくからちゃんと報酬を貰うように。あと、内容も追加するかもだが」と仕事を入れられた
其ほど、重要ではない兄弟の動向もちゃんと把握しているのが、兄ならではである。
だから現政権を掌握して当主に座って居られるのだ。ちなみに両親は外交用の客寄せとしているらしい
わかった。と了承して兄との再会を終え宿に戻る。
なんか疲れたな。そう思っていると客だと女将に呼ばれる
下に降りると金髪黒目の美少女と黒髪金目の美少年が立っていた。どちらも見覚えがある顔であり、すぐ上の兄と姉だ
「なにしてんだ。兄は知っているんだろうな」と地を這うような低い声がでる。
その声で体を震わせている姉と守るようにしている兄
面倒で体力的にもきついが、兄に連絡を飛ばしておく。これで、回収が早くなる。
「何よ。私たちが何をしようと」そう言おうとした姉の言葉を遮り
「関係ない。だが、私を頼るとか言う甘い考えは捨てろ。君たちとは、赤の他人だと。そう言っただろう。あの時から、縁が切れているのだから私にはか関わりを持とうとしないで欲しい。住む世界が違うからな」そう言って部屋に戻る私を唇を噛み締めながら耐えている姉が視界の隅にとらえるが、何も感じない
長寿種は長寿種の短命種は短命種の生き方があるのだから。
それを羨んで今の地位を捨てるような人物など知らないし、興味がない。お前はどうなのよ。と言われるが、私は地位を得る前に外れたのだから問題ない
さあ、飯食べて明日も頑張らないといけないな。
兄の依頼はどのぐらいの量になるのだろう。さてさて、指定が来る前にアルテイド稼がないとだな。好物と水晶を積極的に攻めていったらいい値段になるかな?副産物の革とか肉とかも捨てがたいし。
明日ギルドに行ってからから考えるとするか。