物件紹介と帰還
いつもより遅いが一般的な朝の時間に起きると黒がぐでーっと足元で黄色が隣で添い寝をしていた。昨日と逆なのか!と思いつつ黄色の手を離して着替えていると目が覚めたのか、黒が伸びた。「おはよう」と声を掛けて部屋を出ていこうとすると邪魔をする。本性だと喋れない訳ではないが面倒なんだろう。
人の姿になってから一緒食堂へ降りていくと人混みができている
私を見た女将が突進してくる。
「あんたに客だよ」と人混みの中心部に引きずり出される。
中心部には見知らぬ美形が1組いた。さらさらの金髪を無造作に後ろにまとめて結んでいる男性。腰には剣がある。
女性は男性の膝の上に抱かれて座っている。こちらは赤髪が美しい。武器は持ってないが指輪がたぶん魔法を使用するための魔道具だろうと推測される。魔法使いだとしたら魔力を感じないから私くらいの魔力しかないか、隠しているかのどちらかだ。
そう考えると、男性の方は召喚獣か使役だと考えるのが妥当な線だな
しかしなにか引っ掛かる。
誰?と後ろにいるはずの黒に聞くと知らない。と帰ってくる。ある程度の実力者とは顔見知りらしい黒が知らないのなら上位中の上位か、下位か。下位ならかなりの自信家なのだろうが、私には用がないので放置することにした
「おかみさん。客ってどこ?皆さんも集まって居たけどなにもいないじゃないですか。朝から驚かそうとしているんですか?」よくわからん。と行った雰囲気を出してから空いている席に座り朝食を依頼する。その声におがみさんが動き出すと他の人もまた動き出す。
存在を無視された2人組が驚いているがそんなことを気にしないで朝食が来るのを待つ。
何だろうな違和感は?と思いながらもお茶をすすっているとふと思い出す。女性が着けていた指輪が拘束具だと言うことに。しかも質が悪いことに契約者が死ねば自分も死ぬし、接触してないと死ぬ。という設定の物だと言うことに。
「胸くそ悪」ボソッと呟けば何の事だか理解している黒が頷いているが、私が動かないならどうでもいいと考えているから、同族の窮地に無頓着だ。
「何がしたいのやら。ただ単に恋心と言うわけでもないだろうが、面倒ごとには首を突っ込まない方がいいだろうな」と聞くと同意している。しかしながら、黄色が起きてこない。何でだ?
「あいつなら、お前の両親に呼び出されているぞ。今日は用事があるから手短に済ませてくる。とさっき伝言がきた」と黒が教えなが届いた朝食をたべている。その答えに納得して食事を食べ始める。半分を食べた所で黄色が帰ってきたらしく食堂へきた。
「胸くそ悪わ」怒りながら席に着いてお茶を頼んでいる。
「あのバカたち。貴方の場所を教えろと言って煩いの。今は、一人で好きなように生活をしているからと言っても聞かないし。同席した神父が呆れたような顔をしていたわ。貴方と伯爵の次期を結婚させるとか聞かないのよ」
「無理だな。子供を産む機能も、気持ちも無いし。そもそも、寿命的にも容姿的にも釣り合わないでしょ」
「バカだな」と各々感想を言う。
朝食後、に2匹の要望どうり購入予定地を見に行くこととする。市街から数キロの距離だか森に囲まれたような町だから場所は無論森。と言う説明をしたのち移動を開始した
到着すると土壌汚染した工場あとや水場の池をチェックしている2匹。何が楽しげな雰囲気の中てチェックが続いた
十分チェックしたのか戻ってきた2匹からは満足げな雰囲気が醸し出されている
「ここなら大丈夫た」
「安心だわ」と言っているが、何を基準にしているのか解らない。
「プラプラ根無し草のように生活して死んでいくのがと心配だったが」
「家を作るなら安心だわ。これで守りが十二分に施せるものね」と言っているが黒よ。余計なお世話だ
黄色は何をするのか想像出来ないが遠慮しておくよ
「さて、満足したら戻るよ。書類が揃わなければどうにも成らないし、お金が間に合えば良いけどね。私みたいな鳴かず飛ばずの引退間近には金を貸してくれるような酔狂な人間なんていやしないからさ」と説明しながら町の方に歩き出す。その言葉を聞いて怪訝な顔をしている2匹には気づかなかったし「楽しみだ」という2匹の言葉は聞こえなかった。
町に戻り2匹と一緒に買い物をした。生活必需品として着替えを数点。あとは、槍を磨きに出したり革の鎧を直しに出したりする。代わりの鎧と槍は扱いずらくは無いが、手に馴染んで無いため変な感じかがするが、2・3日の辛抱だからと我慢する。買い物中も色々と過保護を発動させる2匹が、珍しく用事があるからと還ると言い出した。
用事?と思ったが、私の産みの親が何やら呼び出しをかけているようだからそれを処理しにいくのかな?と思う。本来の契約者は母なのだから母を優先させないといけないのだろう。
何かあれば、困るし一生会えなくなる方が嫌なので、快く応じる
自前で読んだので返すのも自前で賄うため、還したあとは少しだけふらついたが、普通だったら全て吸い取られてしまっても足りないくらいのレベルだからふらつきも軽い方だろう。そもそも私の魔力の総量では、呼び出せないレベルなのだから。
宿に戻ると少しだけ寂しい感じかするが、いたさかたがないと思い考えないようにする
女将がもう帰ったのかい。と驚いていた。1週間分を前払いでもらっていたそうだ。
用事みたいだ。と答えると引き下がってくれた