6/10
Scene 6
なんて楽な世界だ。設えられた神座に、座っているだけ。現実とは打って変わって、埋もれ様のない呼称――神。
――でも、果てしなく暇だ――
居るだけ。どういう仕組みなのか、ゲームの世界に来て、数ヶ月は経った。
朝日と共に起き、月明りで眠る日々。目が覚めたら自分の部屋……なんていう、有りがちな展開は無かった。
――夢じゃなかったんだな――
今では、すっかりゲームの世界が現実だ。
「神様、お食事で御座います」
運ばれて来たのは今日の朝食。古代ローマの食事情なんて判らないが、それらしくはない。どうかと言えば、現代日本に通じるものがある。
メニューは、白米、味噌汁、焼き魚。
――和食だよな――




