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Scene 2

 耳に痛い様な静寂の中、絹を引き裂く様な悲鳴が聞こえた。沈んでいた意識が徐々に浮上し、瞼を持ち上げるまでに至る。

 が、肉体は起き上がろうとしない――関わるな。絶対、ロクな事にならない――脳からの指令を受信した。

 俺は起きない。何もしない。そうこうする内に、辺りが騒がしくなってきた。悲鳴が上がれば当然だろうか。


「おりて来た?」

「間違いない」

「目を覚まさないぞ?」

「大丈夫なのか?」

 多様な声が鼓膜を刺激する。

 聞こえない。閉ざせ。拒絶しろ。

 ――目下、面倒事には関わりたくない――

という俺の意識におかまいなく、勝手に肉体が動く。


「神様が降誕なされた! 丁重にお運びしろ! 傷一つつけるんじゃないぞ!」

 狸寝入りを決め込んだ俺は他人の手によって何処かへ運ばれていく。

 ――神だって? 俺が?――

 全く思考がついていかない。こういう時は、成り行きに任せるのが賢い人間……かもしれない。

「神様! どうか我等をお導き下さい」

 ――……どうも、パターンだ――

 運ばれた先は、神殿か何かで、寝かしつけられたまま、衣類を替えられそうになった俺は、不自然を承知で目を覚ました。そして今は、祭壇の上に居る。

 ――考えたくもないけど、これってゲーム? あの、ゲームの所為か?――

 平伏する人々を見下ろしながら、自分の日常を思いおこす。

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