今日も人がゴミのように我に集まる
我はアイドル。大人気アイドルだ。
モッフモフで、可愛くって、人間どもを癒す存在。ネコ目クマ科。白黒の愛らしい動物なのだ。
そう――我はパンダ。この動物園一の超大人気アイドルである。
今日もガラスの向こうでは、我を一目見ようと人間どもが集まる。
お前ら、気付いていないかもしれないが、実に見苦しいぞ? 我を見るためだけに、場所取りに必死過ぎだぞ。見てみよ、その顔! 我はいつも可笑しくって堪らなくなるぞ。
さらに、笹をひとかじりすれば、可愛いと悲鳴を上げる。
メェーと鳴き声を聞かせれば、下等な羊のようだと騒ぐ。
我が後輩の上に乗っかれば、鏡餅のようだと、カメラで我らを撮りまくる。
実に見苦しいぞ、お前ら!
……が、そんな見苦しいお前らに、今日は取って置きの技を見せてやるとしよう。よく見るが良い!
飼育員がわざとらしく置いていったこのフラフープ。これを持ってだな……。
お、何だ? もうざわついているな。まだ騒ぐには早いぞ?
このフラフープを被ってだな……。むぅ、上手く入らん。何だ。騒ぐな人間。ほら入ったぞ。恐れ入ったか!
おおっ、騒ぐな。騒ぐな。うるさいぞ。見所はここからだ。静にせんか。
フラフープを両手で持ってだな。立ち上がってやるぞ。おっと、っと。転んでしまったではないか。
ええい、うるさい。このくらいで騒ぐな。転んだとはいえ、芝生の上だ。安心しろ。お前らのアイドルは怪我などしていない。
さて、続きを見せてやるとしよう。今度は上手く立ち上がれたぞ。拍手は早い。まだするな。
見よ、我の華麗な姿を!!
フンッ!
見たか!? 見たか!? 一回回っただろう!? どうだ、どうだ! 凄いであろう!? 存分に崇めるが良いぞ!
おおぅ。人間どもがいつもより集まったな。気持ち悪いぞ、お前ら。まるでゴミのようではないか!
ふう……。我は疲れた。もう寝るぞ。また明日やってやらんでもない。
だから、静かにしてくれんか。その眩しい、カメラのフラッシュも控えろ。少しはアイドルに気を使え。
──また明日も人がゴミのように我に集まる。
まず、謝罪を……。
パンダ大好き! という方すいません(・・;)
本当のパンダはピュアな心を持つ動物のはずです!
さてさて、後書きに入ります。
この話は、三題お題話(または、三題話)です。
パンダ・フラフープ・鏡餅という友人のお題から出来ました。
HERIOSが初めて書いた短編です。
正直短編は苦手でして、クオリティ低めです。
個人的には、このパンダは可愛く書いたつもりです(;´∀`)
共感していただけたら幸いです。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます!!
短編【今日も人がゴミのように我らに集まる】に続きます。