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『新たな仲間』

――グレイシティー中心都市の南端。

灰色にくすんだ廃ビルが並ぶ通りの片隅。舗装もまばらな路地に、少しだけ風が吹いた。

プーンとした匂いが空気を重たくする。

三人はバイクを降り、周囲をしばらく散策することにした。

「……ねぇねぇ、このへんじゃないの?“黒い高塔”って、どっから見ても目立つ大きさのはずだし。」

いちごアイスが大きなハンマーを担いだまま、手をかざして空を仰ぐ。ポニーテールがくるりと揺れ、軽やかだ。

「うーん、見当たらにゃい。けど、感覚的には、ここからそんなに遠くないはずにゃんね。」

ミーナがくるくると指を回し、空間の“流れ”を読もうとする

「でも、おかしいわね。どこにも警戒網が張られてない。“敵の本拠地”なら、もっとトラップがあっても……」

ヒナも首を傾げる。

……そんな彼女らの掛け合いを遠くから見ていた、金髪のメカメカしい生命体が一人。ドラミンゴだ。

「ずいぶんと厳ついなあ、アイツら…… 絶対話なんて通じなさそうだし、ここはさっさとゴーちゃんのミサイルで――」

巨大なハンマー、蠢く触手、それに、喋る猫。

どうみても怪しい連中をお手製ミサイルでめちゃくちゃにしようとした――が、野望はあっさり砕けた。

体内に内蔵していた武器が、なぜか全部消えていたからだ。

(あっれ〜?なんで!?なんもない!!!これじゃアイツら蹴散らせないじゃん!

ちぇっ、つまんないの〜〜)

野望が夢と消えた少女は、ぷくぷくと頬を膨らませながら、不満をぶつぶつとこぼしつつ、しぶしぶその場を後にした。

黒い煙が漂う、廃れた廃墟の街の中、少女はとぼとぼと歩き続け……

「あ〜もう、つまんないー!つかれたー!ねる!!」

……そう言って、ついにグレて寝だした。

そうして夢の中へ行こうと現実逃避をし始め……ようとした瞬間、ふと、あることに気づく。

「ってか、さっきから何だろうこのニオイ? あいつらがいるところからも漂ってるけど……」

あたりに立ち込める黒い煙が、なんとなく気になりはじめた。

なんだか面白くなってきた少女は、そのへんの煙を吸って成分を抽出し始める。

「へえ〜、洗脳効果があるんだこの煙……ってことは、さっきのイカつい子たちも操られてるってことか~。 あっ、てことは絶対、この煙を発している親玉がいるよね! 会ってみたいなあ……きっと強いんだろうな〜♪」

彼らを洗脳する親玉に会ってみたい……

そんな旅の目的ができた少女は体を起こし、また歩み出した。

洗脳された連中たちと会わないよう、こっそり隠れながら、時には黒い煙を吸いつつ歩いていすると、突然……

「すいませ〜〜ん!!」

遠くから、若い女の子の声がした。

そう声をかけてきたのは、いちごアイス。そして後ろから、ヒナとミーナも合流する。

「ん〜?ユーたちだあれ?」

「私はいちごアイス!こっちは友だちのヒナとミーナだよ!」

「よろしくゥ!」「よろしくにゃ〜」

ヒナとミーナが笑顔で挨拶する。

ドラミンゴは即座に察した。

彼女らは、先日見た連中のような敵ではないと。

なので、明るい口調で言葉を返す。

「わ〜お!やさしいね、ユーたち! わたし、ドラミンゴ!前見た奴らとは違って、ユーたちはまともみたいだね?」

「……やつら?」

「うん、やつら。イカつい虎みてえなやつとか、灰色の髪をした……」

いちご「灰色の髪!?」

「――みかどって子を、救いたいんだね?」

「ふえっ!?どうしてそれを……!?」

アイスが驚いた声で叫んだ。

「それはね〜〜なんというか……あの子だけちょっと、“華”が足りなかったってカンジ?」

「見知らぬ人なはずなのにそこまで察するか――ただもんじゃないね、アンタ」

ヒナが驚いて声を上げる。

「そりゃそうだよ!ゴーちゃんは さいきょーだからね!――今は違うけど」

ドラミンゴが少ししょんぼりした声で返した。

雑談が弾み、互いの信頼も熱くなった頃、キリのいいとこでドラミンゴは話を切り出す。

「んでさ、洗脳してるやつが誰なのか 知りたくなっちゃったんだよね〜

だからさ、ゴーちゃんも連れてってよ! ヘンな黒い煙から、ユーたちを守ってあげるから!」

「いいよ!仲間が多い方が頼もしいし、黒い煙が効かないなんて、絶対役に立つしね!」

アイスが即答し、

「断る理由がないね!」

ヒナも力強く同調する。

すると、ミーナがのんびりと声をかけた。

「そろそろ出発するかにゃ〜」

かくして――ドラミンゴの加入により、四人に増えたチームは、

洗脳されたみかどを救うための旅を、再び歩み始めたのだった。

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