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異世界に国家ごと転移したので俺は何回も死んで滅亡ルートを回避する (1話だけ)

作者: tanakalucky777

最初の1話なんで特に特徴はないよ。

神条葵は生粋のバカである。

中三から大学受験の今に至るまで学校に行かずゲームに引きこもっているバカだ。


だが、才能だけはあった。E-スポーツ選手となり、始めた配信は同接500人を突破―――一応自立できるだけの金は稼いでいる。

、、、が常に金はない。考えなしに全部使ってしまうからだ。


そんな彼が呼ばれる名は――――――「生粋のバカ」だ。


 *      *


「―――――――今日12月31日午後11時から明日の1月1日11時までの24時間耐久配信行くぞ!」


コメント

 きたーーー

 バカすぎるww

 年越しになんで地獄するの?

 E-スポーツの選手がやることじゃあないんだよなー


「金がないからやるんだよ!」

俺は金遣いがおかしいことで有名なのだ、それもチームメンバーもあきれるほどに。

だが、こればかりは不可抗力だ。


コメント

 い つ も の

 ギフトどこに行ってるんだ?

 パチンコか?

 飯代だろ


「お前らのギフト(スパチャみたいなもん)には感謝してる!、だが食事とジムの器具代で全部消えるんだよ!?

、、、だからギフト投げろ!」


コメント

 本音出たw

 中身バケモンだろ

 元ニートが何言ってんの


「俺は元ニートの細マッチョFPSプロ選手だぞ?、金は稼いでる!この元日に、この配信見てるバカどもからな!」


コメント

 開示案件w

 傷つきました


 流れていくコメントを拾いながら、俺は話の落としどころを探すが――――まあいい。


「雑談は終わりだ。ここからは地獄のFPSランクマッチに突入する! 元日仕様の右手で勝率90%出すぞ!」


気合を入れてマウスを握った――その時、モニターの端で通知がちらついた。

『【緊急】サーバーとの接続が不安定です。海外データセンターへのアクセスに失敗しました』


「……は?」

マッチング画面はグルグル回ったまま止まっている。


コメント

 おい回線死んだ?

 鯖落ちか?

 またお前のプロバイダだろw


「いや、俺の回線はさっきまで普通だったぞ」

さらに通知が立て続けに表示された。


『国際回線に接続できません』

『一部サービスが利用できません』

『海外との通信が遮断されました』


俺は焦りながらブラウザを開いた。海外のゲームサーバーも、SNSも、ニュースサイトもすべてタイムアウト。

かろうじて国内のニュースサイトが開くと、トップに躍る速報が目に飛び込んできた。


『【速報】日本、国際通信から切断――海外と連絡不能』


「なんだこれ」

コメントが急に荒れ始める。


コメント

 海外鯖全部死んだ。

 ツ○ッターもイ○スタも全部真っ白

 これヤバくね?


「誰か何が起きたかわかるか?」


コメント

 いやマジでわからん

 これガチのやつ?

 ニュース遅すぎ

 回線切れただけじゃね


そのとき耳をつんざくJアラートが、部屋のスピーカーから鳴り響いた。


『国民保護に関する情報。北海道にミサイルと思われる未確認飛行物体が接近中――――屋内または地下に避難してください』


「、、、え?」

心臓が跳ねる。

Jアラートは訓練以外では聞いたことがない。だが、いま確かに俺の住む北海道に「未確認飛行物体が接近中」と告げられた。


コメント

 え、Jアラート鳴ったぞ!?

 俺もだ、スマホが爆音で鳴ってる!

 これ演習じゃねえのかよ

 北海道って、お前んとこだろ?


「、、、俺、道民だけど、、、」

手が震える。

配信のコメ欄は怒涛の勢いで流れ続けるが、内容がほとんど読めない。

背後の窓の向こう冬の空が一瞬だけ光った気がした。


コメント

空、なんか光ってね?

花火?

ミサイル?


「冗談、だろ」

コメ欄は混乱に包まれ、俺がいる部屋はJアラートのサイレンだけが響く。

俺は無意識にマウスを握りしめたまま、部屋の窓から空を見上げようとして、、、


、、、。

、、、、、、。

、、、、、、、、、。


 *       *


 夜明け前の空を、重たい回転音が切り裂いていく。

報道ヘリ「サッポロ・ニュース・アイ01」は、北海道・札幌市上空を旋回していた。


「マジか」


副操縦士のつぶやきが、インカム越しに漏れ聞こえる。

カメラマンの山崎は、呆然としたままカメラ越しに町を見下ろしていた。


札幌中心部。

そこにあったはずの繫華街も、テレビ塔も、すすきのも、何もかもが、瓦礫に変わっていた。


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