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第七十五話

「これもいいね。全部陽大君に似合いそう。」



 某ファストファッション店に入り、色々な服を陽大君に着てもらう。

 黒から白、丈の短い物から長い物。色々試してみるが、どれも悪くなくて、むしろ良すぎてこれという一着が見つからない。



 もうすでに様々な組み合わせを試したが...



「だめだ。もう...」



 この時、陽大君は私の様子から、彼自身に問題があって救いようがないと思われていないかで不安だったと後ほど明かされた。

 そんなわけがないんだが、自己肯定感を上げてほしいところだ。





 陽大君に最も似合うセットを悩みに悩んで決めて、今度は私が着せ替え人形となるターンとなる。



「う...星華さん...どれ着ても似合ってしまう...」



 私も様々な服を着て陽大君に見せるのだがとうとう、うなり始めてしまった。



「よ、陽大君...」


「星華さんは悪くないんだ...いや、ちょっとは悪いかもしれない...」



 先ほどまでの私を見ているような気分だった。





 その後、一時間ほどかけて陽大君が一セット選んでくれ、それを買ってお店を出た。



「なんか疲れたね。」


「そうだな。...服を選んでただけなのに。」



 二人とも精神的に疲労してしまったのでカフェに入ることになった。


 すると、



「あれ、星華。」


「来夏!?」


「こんにちは、星華さん。」


「嶺亜もいたのか。」



 来夏と嶺亜と言う珍しいペアがいた。



「ちょうど埋まってるし、こっちのテーブル来なよ。」


「じゃあ、お言葉に甘えてそうさせてもらおうか。」



 一つのテーブルを四人で囲む。



「それにしてもまさかこんなところで会うとは思わなかったな。」


「星華と陽大君はデートか?」


「うん。」


「そうか。」


「ところで来夏達は?」


「ぼ、僕たちは...」


「なに。嶺亜に遊びに誘われたからちょっとな。」



 嶺亜君の来夏への気持ちを察し、そして来夏の反応を聞いて



「な、なんで僕、そんな同情のような目線を?」



 つい私も陽大君も困難な先行きを予見してつい同情してしまった。

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