第六十九話
残念ながら星華さんの返事は、
「ごめんなさい。前も言った通り...」
「俺は星華さんにあったことはわからないし、今、どんなことで苦しんでるかは分からない。
けれど、戦う星華さんのそばにいつでもいたいんだ!」
しかし、食い下がる。
まず、どうしてもあきらめきれないから、そして何より、星華さんのあの表情を晴らすために少しでも力になりたいから、強い言葉で言い切る。
「...陽大君。あなたはいつも私の心を照らす太陽の存在のようね。」
「それは違う。初めて出会ったときのことを覚えているか?」
「初めてあった日―私が屋上で歌っていた歌に感動したっていう日だったっけ?」
「そう。俺はあの日、星華さんに救われたんだよ。
俺に言わせれば星華さんこそ、多くの人の道筋を照らす一番星なんだよ。」
だからこそ、星華さんを過去の記憶から助け出したいと思う。
「...そっか。陽大君にとって私はそんな存在になれていたんだ。」
「俺だけじゃない。星華さんは星華さんの音楽を聴く人全員を助けているんだ。」
すると、突然、激しく星華さんが泣き出す。
「星華さん!?」
「ごめん...っ...涙が止まんなくって...そんな風に言われたのは初めてで...ちょっと肩を貸してくれる?」
「う、うん。」
星華さんはそのまま五分ほどずっと泣き続けた。
その様子を見つめながら思う。
一人の女子に与えられた運命の重さに辟易する。
大好きな歌を歌うということを少女から取り上げ、その壁を乗り越えた先にさらに高い壁を用意する神の意地悪さに憎しみすら抱いてしまう。
いったい彼女の過去に何があったのだろうか。
人の心情を描くのって難しいですね...
下手くそですみません。