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第六十八話

 陽大君の告白を断って一週間。


 今日はなんだかみんなとご飯を食べる気分になれず、一人屋上で風にあたっていた。



「はあ。」



 朝から何も手に着かず、授業にも集中できなかった。

 

 ここ最近ずっとそうだ。陽大君を振ってから。


 後悔しているのだろうか、自分でも見えない不透明な心の奥底で。



 ふと、誰にも話さず、ずっと封印してきた記憶が頭をよぎる。


 久しぶりに不快な感情が蠢く。



「私は...私はどうしたいんだろう。」





「陽大君、星華なら多分屋上へ一人で行ったわよ。」


「ありがとう。」



 陽大は萌の声を受けて屋上への階段を上りだす。



「頑張ってね。」


「そうよ、星華に...明るい未来を見せてあげなさいよね。」



 二人の言葉に背を押されて駆け上がる。




 屋上の扉を開けると、そこには切ないというべきか、寂しいというべきか...迷子の幼児のような顔をした星華さんがいた。


 かける言葉が見つからず、名前を呼ぶに留まる。



「星華さん。」


「陽大君...」



 彼女の目にはうっすらと涙が浮かんでおり、そんな顔を見て心をぎゅっとつかまれる。


 伝えると決めた気持ちが揺らぐ。


 しかし、背中を押してくれた人の顔が頭によぎり、



「星華さん。俺は、やっぱり星華さんのことが好きなんだ。俺と付き合ってくれませんか。」



 再び自分の思いを伝える―――

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