第六十六話
「つまり、話を整理しましょう。
まず、陽大君が星華に振られた。」
「ぐふっ...」
心の傷をえぐられた陽大のHPが一億減った。
「それで、星華は陽大君じゃなくて彼女自身に原因があると言った。」
「そうだな。」
「来夏の話からその原因は家族に関する何かであると推測される。
特にご両親の話ね。」
「ああ。」
ここで萌はいったん言葉を区切った。
「どうしたんだ?」
「いや...結局あんまなんも分かってないんじゃないかって。」
「...確かに...」
*
結局、その場は解散して陽大は家に帰ってきた。
「お兄、どうしたの?なんか顔色が悪そうだけれど...」
「ほんとだ。大丈夫か、陽大?」
よっぽど普通でなかったのだろう、顔を合わせて即心配される。
「いや、大丈夫...大したことではないから。」
まさか告白して振られたとは言えないため、ごまかそうとする。
しかし、父親にはすぐにばれてしまったようだ。
「星華ちゃん関係だろ?」
「ッ!!」
図星をつかれて顔に動揺が浮かんでしまう。
「おおかた告白して振られたってとこだろう。」
「...なんでわかるんだよ。」
決して羂○ではない。
「それで、あきらめるのか?」
「いや、あきらめはしないけどさ。どうしたらいいのかなって。」
原因が分かればまだ...なんとかできるかもしれないが、わからない今は動けそうにない。