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第六十四話

 小学六年生に進級したばかりの頃だった。


 家が近く、通学団が一緒だったため、クラスが分かれてしまっても私たちの関係は変わらなかった。

 何気ないことで笑い、共感し、毎日を楽しく過ごしていた。


 あの日までは。



 あの日の星華の様子は明らかにおかしかった。


 朝、最初に顔を見た時に感じた。

 何が起きたのかは分からなかったが、常に笑顔だった星華は無表情だった。

 いつもしゃべりだすのは星華なのに、その日は私からしか会話が始まらなかった。


 そして帰り道、突然星華が泣き出したのだ。



 驚いた。


 

 一言で表すと味気ないが、本当にびっくりした。

 大声で、周りの目を気にせず、私に抱き着いて泣いた。

 そんな彼女を見たのはこの日が最初で最後だった。



 翌日からの星華は一見、以前と全く変わらなかった。

 ただ、私は違いを感じ取っていた。


 まず、表情が硬い。以前のようなほころぶような笑みではなく、意識しているような感じだ。


 そして、時折、寂しさを感じさせるような雰囲気をまとう。以前の星華は周りにいる人全員に安心感を与えるような雰囲気であったが、それとはまったく別になってしまった。



 

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