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第六十三話

 少し考えてから萌が口を開いた。



「多分だけど、恋心すら塗りつぶす、押しつぶすような強い感情を持っていたんじゃないかしら?」


「強い感情?」



 すると、ちょうどそこに来夏がやって来た。



「何をこそこそ話してるの?」


「こそこそ...」


「いい所に来たわね、来夏。確かあなたは萌と小学生のころから一緒じゃなかったかしら?」


「そうだけど。どうかした?」



 声を静めて萌が尋ねる。



「ここだけの話、星華の様子ががらっと変わったことってなかったかしら?」


「がらっと?」



 しばらく目を閉じて遠い記憶の引き出しを開ける。


 

「...そういえば...」



 そして思い出したことを語り出した。




「今日から、みんなとクラスメイトになる、永田星華ちゃんよ。じゃあ自己紹介をしてちょうだい。」


「はい!みなさん初めまして!永田星華と言います!好きなことは歌うことです!よろしくお願いします!」



 初めて見た星華の印象はとにかく明るい子だな、ということだった。



「それじゃあ、あそこの、窓際の空いてる席に座ってね。」


「はーい!!」



 席が隣という何気ない理由で知り合い、あっという間に馬が合って友人関係となった。


 仲良くなって、星華の事をたくさん知って思った。


 これほど表裏のない人間がいるのだろうか、と。


 誰に対しても明るく、優しく接する彼女はまさしく太陽だった。



 だからこそ、あの時はわかりやすかった。

 

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