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第六話

 約束のカラオケの日がやってきた。空は快晴で、四月中旬らしい、涼しい日だ。

 日曜日ということもあり、待ち合わせ場所である駅は混み合っていた。



「もう、カラオケの部屋は予約しておいたから、行こうか。」


「ありがとな、陽ちゃん。」



 約束の時間少し前に全員がそろい、早速お店に移動することにする。



「にしても、星華ちゃんかわいいね!」


「ああ、とてもかわいいと思うよ。」



 今日の星華の装いは非常におしゃれだ。選んだのは一緒に住んでいる祖母であるが。髪型は編み込みハーフアップ。さらに、金のイヤリングが耳で揺れている。

 男子三人が全員ドキッとするレベルでかわいいのである。


 ただし、ほかのメンバーだって負けていない。他の女子二人はもちろん、陽大、ライの二人もそのスタイルの良さ、容姿の端麗さを際立たせるようなコーデである。


 唯一少し浮いているのが嶺亜である。決して変なわけではない。むしろ、普通であればセンスがいいという評価を得る格好なのであるが、周りの姫と王子様方に比べるとどうしても劣っていると言わざるを得ない。


 そういうわけで、周りから注目を浴びないわけがなく、通り過ぎる人皆が振り返るような、美男美女の集団となっているのであった。



 駅から歩くこと五分ほど、彼らは店に着いた。

 早速受付をして入室する。そして、、、


 気まずい空気が流れていた。


”どうしよう、最初歌うの恥ずかしい!!”

”最初に歌うのはさすがに怖すぎる...”

”誰から歌うのかなぁ。”


 カラオケあるあるの最初に歌うの恥ずかしい”あれ”である。

 しかし、いつまでも固まっているわけにもいかないので



「じゃ、じゃあ俺から歌おうかな。」



 と陽大がマイクを手に取るのだった。



 カラオケは順当に進んだ。



 トップバッターを務めた望月君はよどみなく一曲を歌い切り九三点。


 次に歌った香坂君も望月君には及ばないものの九一点という好スコアをだった。


 岸君は八六点と、他の男子には劣るものの、平均以上のスコアは残した。


 続いて、女子の番となり歌ったのは来夏。最近はやりの男性がボーカルを務める高音が特徴的な歌を、

きれいに歌い上げるも、採点に嫌われて八九点。しかし、起こった拍手は今日一番のものであった。


 このみは意外とというと失礼かもしれないが、流行りの曲ではなく十年ほど前に流行っていた曲をチョイス。そして点数も、



「よし、九四点!」



 と、現時点での最高点をたたき出したのだった。


 そして私の番となるので、曲を入れてマイクを構える。

 私が選んだのは幼いころからずっと好んで聞いてきた邦楽。心地よいリズム感のイントロが室内に響く。

 いざ歌おうと息を吸い込み...



「きゃぁぁぁぁぁぁ。」

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