第五十五話
さて、今日は萌の家でチョコを作る日。
萌の家へ行く前に来夏達と合流する。
「萌ちゃんの家ってどんな何だろうね!」
「星華は言ったことがあるんでしょ?」
「うん。すごい豪邸だったよ。」
「豪邸...じゅるり。」
まて、このみ。そのじゅるりってどういうことなんだ。何か盗ろうとしていないかい?
「とりあえずこの駅に行けばいいんだろう?」
来夏が路線図を指さしながら聞いてくる。
「うん。そこからは迎えに来てくれるから。」
「迎えか...どんな車なんだろうな。」
「まあ、見てからのお楽しみと言うことで。」
*
「すごい!うちの車より高級車じゃん!」
迎えの車に乗ってからこのみのテンションは爆上げである。
このみの家もかなりのお金持ちであるが、彼女の家よりもいい車であるようだ。
「かぁ...」
来夏はこのような車に乗るのが初めてで気が穏やかでなく、びくびくしていたかと思ったら突然なぜか昇天した。
”汚したら...殺される...”とかつぶやく声も聞こえた気がするが、一旦放っておくことにする。
そんな少し汚す程度で起こるような人じゃあないと思うけどなぁ。
そんなこんなでちょっとしたアクシデントはあったものの無事(?)萌宅に到着した。
*
「ようこそ、わが家へ!星華はうちに来るのは久しぶりね。」
今日は玄関で萌がお迎えしてくれた。
相変わらず立派な家だ。巨大な建物に広大な庭、そして...かわいらしいメイドさんたち。
あとでまた見せてくれないかな...
「それじゃあ、キッチンへ案内するわ。」
萌を先頭に歩き出す。
そんな萌にようやく復活した来夏が尋ねる。
「ところで、今日は私たちだけで作るの?」
「ん?言ってなかったかしら。今日は私の家の専属シェフの指導の下作るのよ。」
「萌ちゃんの家の専属シェフ!すごそうだね!」
「それはもちろん。我が家のシェフはミシュラン三ツ星で修行して、国際的なコンクールで賞を取ったことがある人物なのだから。」
「それはすごすぎる...」
そんなすごい人に教えてもらえるとは思わなかった。
というかこの前のご飯もその人によって作られていたとは...恐れ多い。