第五十二話
クリスマスのお出かけも無事楽しく終わり、そして年が明けた。
「明けましておめでとうございます。」
「あけおめ。」
「あけおめ!」
「あけおめ~。」
今日は音楽部のみんなと初詣。
この地域最大の神社へやってきた。
元旦であることも影響して、すごい人の数だ。
皆カジュアルな服装の中、萌だけ着物を着ていた。
少し前まで一族の集まりがあったらしく、そのままの格好でここへ来たらしい。
髪を結いあげて、とてもきれいである。
「それじゃあ、参拝しに行こうか。」
「そうだね!」
*
賽銭を投げ、柏手を打ち、願い事をする。
今年もいいことがありますように。
願わくば音楽部のメンバーでこの先も楽しく過ごせますように。
祈り終えて右を見ると、何やら陽大君がぶつぶつ言いながら非常に長く真剣に祈っている。
いったい何を願っているのやら。
*
父さんがこのまま健康でいられますように。
沙羅も元気で...みんな元気でいられますように。
あと、星華さんと、もっと仲良くなれますように...
できれば付き合うところまで...
どうか神様よろしくお願いします。
あと、あと...