第四十五話
クリスマスパーティーから二日後、十二月二十二日。
今日は以前約束した、萌の家で陽大君とのデート(?)への準備と言うことで、私の姿は萌の家の前に合った。
さて、萌に事前に伝えられていた住所へ向かうために電車で最寄りまで行き、駅からは迎えが来てくれるというのでロータリーで待つ。
周りの景色を見渡して思う。
”私と生きている世界が違う!!”
明らかに豪華な家が多いのである。
きらびやか過ぎて庶民である私には眩しい。
とか思っていると、迎えらしき車が現れた。
その車の豪華さにも目を見張る。
人間であれば誰しも一度乗ってみたい”超”が付く高級車である。
そんな車が私の前で止まり、人が良さそうな老人が降りてきた。
「永田星華さまでございますね。乗ってください。」
*
車に揺られることしばらく。閑静な住宅街を進んだ車は立派な門のある家に入っていき、立派な入口で降ろされた。
そして、そこには
「いらっしゃいませ。」
本物のメイドさんがいた。
幼いころに、”お嬢様”というポジションにあこがれて、父とメイド喫茶へ行ったことがある。
勿論、それはそれで楽しかったのだが、こう、なんというべきか。自然体としてたたずむメイドさんを見ると...涙がひとりでにこぼれてきた。
ポタリ、ポタリと涙を落としていると、メイドさんが
「ど、どうして泣いているんですか?わ、私、何かやらかしてしまいましたか?」
と慌てる。
そんな彼女に言う。
「触っても、いいですか?」
「はい?」
*
メイドさんにメイド服を触らせてもらったり、仕事内容を聞いたりして一満足。
そして、今日萌の家に来た理由を思い出し、案内してもらう。
家の中も、外観に似つかわしく立派だった。
玄関ホールには燦燦と煌めくシャンデリアがあり、廊下を歩いてみると部屋の多さに圧倒され、ふと外を眺めるとこれまた広くて美しい中庭があった。
メイドさんについていくと、ある一室の前で止まった。
「萌お嬢様はこちらでお待ちです。どうぞ。」
扉を開けてもらい、中へ入ると、ドレスなど、様々な服、アクセサリーが保管された部屋の中央で萌が待っていた。
「星華!!待ってたわよ。今日はあなたに来てもらいたい服がたくさんあって楽しみにしていたんだから。」
テスト週間なのでしばらく更新が不安定になるかもです(今週一週間くらい)