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第四十二話

 例年、クリスマスパーティーでは部活動や有志によるショーがステージ上で行われ、最後にワルツを踊るということをやっているらしい。



「十分よいと俺は思いますけど...」


「確かに悪くはない。だがな、改善の余地はあると思うんだ。その改善のための案が欲しい。」


「案...」



 なかなか難しい要求である。


 十分完成している芸術作品をさらに魅力的に見せるのが難しいように、完璧にしか見えないこの進行にどう手を加えるべきか。


 今一度、ホワイトボードに書かれた例年の進行を見る。


 すると、ふと思ったことが出た。



「そういえば、生徒会企画とかはやらないんですか?」



 中学などでは生徒会による何かしら出し物などがあったが、ここではないのだろうか。



「ああ、昔はあったそうなんだがな。ある年の会長がめんどくさがってなくしたんだ。」


「...随分と横暴な会長もいたんですね。」


「まあ、生徒会の裁量権は大きいからなぁ。」



 だそうだ。



「うーん、でも生徒会企画の復活って言うのは僕はありだと思いますけど。」


「生徒会企画の復活か。仮にやるとしたら何やるんだ?」


「...何がいいですかね?」


「クリスマスと言えばやっぱりプレゼント交換じゃないですか?」


「いや、大人数過ぎて難しいのでは?」



 話し合いが弾む。


 そこで、晴先輩が”名案を思いついた”という顔で言った。



「そういえば、嶺亜。まだ予算余ってたよな?」


「はい。予備費がだいぶ余ってますけど。」


「じゃあ...生徒全員で宝くじをやろうか。」





 帰り道。


 駅までの道を陽大君と歩く。



「会長の案、面白かったね。」


「生徒全員で宝くじって、一瞬どういうこと、って思っちゃったけどね。」



 晴先輩の案は単純だった。


 事前に全校生徒に一つずつ番号を割り振り、余っている予算でそこそこ豪華な景品を買い、パーティー会場にて抽選を行うというものだ。


 ほかに有力な案もなく、と言うよりみんなその案に乗り気になり、全員賛成で生徒会企画の内容が決定したのだった。

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