第四話
その部活後、私と望月君と、その他同じ班に入る予定の人で学校の近くのファミレスに入った。
「まず自己紹介からしようか。俺は望月陽大。」
金髪で控えめだがピアスを開けている誰が見てもイケメンと認める容姿の持ち主。話し方も溌溂としていて、陽キャの部類に属す人だろう。
事実、班決めで多くの女子生徒から人気を集めていたし。
「んでこっちが俺の親友の香坂ライ。」
「ども、ライって呼んでください。陽ちゃんの親友やってます。」
茶と黒の髪の毛が短く切りそろえられており、こちらも容姿端麗だ。彼も女子生徒からの人気が高い。
そしてこの班の最後の男子メンバーが
「き、岸嶺亜です。よ、よろしくお願いします。」
外見は地味だ。黒髪黒目に眼鏡。特にこれといった特徴はない。
班のメンバー決めで組む人がおらず、困っていそうな様子だったところを、香坂君が「あの子、同中だから誘ってもいいか?」と提案し、誰も反対する理由もなかったので、彼も同じ班となったのだった。
「私は永田星華。一応リードをやることになってるわ。
今は歌えないけど、歌えるように頑張ります。」
少し気合を入れて挨拶をする。一緒に歌いたいと頼まれた身ではあるものの、私自身、いつまでもこのままではいけないと思っていた。そんな自分を変えたいという気持ちも込めて皆の顔を見渡す。
皆、力強い顔をしている。彼らの期待を裏切らないよう、頑張ろうと一層思う。
続いてこのみの番になる。
「甘崎このみです!頑張ります!!」
長い、薄い桃色の髪をツーサイドアップで軽くまとめている。
同じ性別である星華の目から見ても、かわいいと思える端正な顔つきである。
そして、この班最後のメンバーである六人目が
「藤田来夏だ。よろしく。」
女子でありながら、男前な性格をしている。
なお、小学生のころから男女問わず人気だが、いまだ本人は気づいていない。
「とりあえず、俺たちの班の目標なんだが、各自の基礎を磨くと同時に、永田さんが歌えるようにいろいろ試行していきたい。反対意見は...なさそうだな。」
望月君が中心となって話を進める。
「といっても、永田さんが歌えるようにするために具体的にどうするか...」
「じゃあ、今度みんなでカラオケに行くのはどうかな!?」
「それはいいかも。星華の問題はそれで解決するほど単純じゃないと思うけど、みんなの歌がどれくらいなのかを知るのにも必要なんじゃないか?」
話がどんどん進んでいく。
結局、次の休みの日である三日後にみんなでカラオケに行くことになった。
*
翌日
「はぁ、はぁ、はぁ。」
「もう、星華ちゃんは体力がないなぁ。」
「そういうこのみも人の事言えないけどね。」
「てへ☆彡」
体育の授業で私たちはバスケをしていた。試合が一段落し、優しい風の吹いている外に出て涼んでいると
「ラスト、決めろ、陽大!」
グラウンドで男子たちがサッカーをしている様子が視界に映る。
望月君がシュートを決め、仲間とハイタッチしたところでホイッスルが鳴り、試合は終了したようだ。
そして、体育館際の木陰から覗いている私たちに気づいたようで近づいてきた。
「やあ、永田さんと…えっと...」
「このみです!」
「来夏だ。」
名前を忘れられていたことに少し不服そうな顔をするも、改めて名前を言う二人。
「こんにちは。サッカーもうまいのね。」
「まあ、大体のスポーツは幼いころからやっていたから。」
「へえ。」
少し意外に思う。彼は天才肌タイプかと勝手に思ってたが、努力型だと知り、感心する。
「ところでなんだけど、どうして私をグループに誘ったの?」
「言ったじゃないか、君の歌が俺の心を大きく動かしたからだって。」
「それはそうなんだけど、それって私が歌えないって分かってもあきらめないほどなのかなって。」
昨日からずっと気になっていた。彼は私の歌声に何を見たのか。
「それはね...」
更新不定期ですみません。大体少なくとも週一を目標に頑張ります。