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第二十八話 

「それでは、クラスの出し物を決めていこうと思う。」


 私たちの学校では一週間まるまる授業なしでの文化祭に向けての準備期間が設けられている。


 準備期間に突入する一週間前の今日、クラスでやることを投票で決めることとなったのだが...


「それでは、メイド喫茶で決まりだな。」


 クラスで室長を務める陽大君が多数決の結果を告げる。


 その結果に男女ともに多くのクラスメイトが喜びの声を上げる。


「これで望月君のコスチューム姿が見れる...」

「俺は甘崎さん推しだな。」

「俺は...」


 という会話が聞こえてきた。


 確かに陽大君のコスは...いいかもしれない。

 あの引き締まったスリムな体にイケメンな顔、そしてタキシード姿であればどれほど美しいであろうか。


 妄想に浸っていると席替えで隣の席となったこのみが声をかけてきた。


「星華ちゃんのメイド姿も楽しみにしてるね!!」

「私!?」


 私のメイド姿など誰が望むのだろうか。


「私よりこのみの方がよっぽど需要があるように思われるけど...」

「そんなことないよ。ほら、周りの目線を見てごらん。」


 そういわれてあたりを見渡すと


「確かに。」


 なんだか期待されているような気がする。


「まあ、必要になったら頑張ろっかな。」


 できればやりたくないなぁ。




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