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第二十六話

 さて、アカペラ大会が無事終わり、私たちは今―


「やっほーい!!!」


 ―海に来ております。


 アカペラ大会の結果はって?


 何と驚くべきことに私たちは優勝してしまったのです!!


 初出場のライブで優勝。感動のあまり涙が止まらなかった私たちは帰り道でも涙が止まらず、翌日に目がパンパンだったことは内緒だ。


 そして今、アカペラ大会お疲れさまでした兼、親睦会ということで海に遊びに来ています。


 残念ながら陽大君は用事があって来ていないが、もともとの私たちのグループと萌たちのグループが集合している。


 雲一つない空の下、みんな泳いだり浜辺でビーチバレーをしたりと楽しそうに遊んでいる。


「それ!」

「てい。」


 目の前で行われている試合は来夏がライ君とタッグを組んでこのみと嶺亜君のペアと対戦している。


 みんなスタイルがよく、非常に眩しい。


 女子陣はみな際どい水着を着ていないが、なぜかドキッとさせられる。


 来夏は私服のような水着だが、スタイルの良さがよくわかる装いだ。

 このみはワンピースタイプの水着で、フリルがかわいい。

 萌は肩が出ていてなおかつ今日のメンバーの中でどことは言わないが一番でかいので...私には直視することができない...


 とにかく、みんなかわいい。

 この感想を来夏に話すと、”星華って時々おじさんみたいなこというよね”と一蹴されてしまった。

 悲しい。


「次、星華の番だよ!」

 

 気が付けば目の前で行われていた試合が終わり、私たちのペアの番となっていた。


「頑張ろうね、萌。」

「ふん。私たちが負けるわけないじゃない。」



「はあ、楽しかったなぁ。」


 帰り道、私は星華と電車に揺られていた。

 外はどんよりと暗く、雨が降りそうである。


「星華たちのペアは最弱だったけどね。」

「まあ、楽しかったものは楽しかったからいいんだよ。」


 そこから数駅、来夏は私の最寄りと一駅違うので別れて帰り道を歩む。


 ホームからの階段を下りて改札に向かおうとすると、


「陽大君?」


 今日海にはいなかった陽大君の姿がそこにはあった。


「星華さん...こんにちは。」


 向こうも気が付いて声をかけられる。

 心なしか、普段に比べて暗いようにも感じる。


「何かあった?」


 気になって聞いてみる。

 すると、はっとした様子で、首を振って


「ううん、何でもないよ。...また学校でね。」


 と言い、去って行った。


 具体的に何がかは分からないが、どこか変だった。


「早く元気になってくれるといいけれど...」


 そうつぶやいた言葉は、快晴だった昼間から一転、今にも雨が降りそうな空に吸い込まれていった。

一応補足

星華の最寄り駅は複数のラインが通っています。陽大君と最寄り駅が同じわけではないです。

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