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第二十五.二話

 曲も終盤、サビに入り私の出番となった。


 私がサビを担当することになったのは他のメンバーからの強い推薦にあったからだ。


”この歌のサビを担当できるのは星華しかいないわ。”

 と萌。


”星華が歌うからこそこの歌の真髄を魅せられるんだよ。”

 と来夏。


”え?サビは星華さんが歌うんじゃないの?”

 と陽大君。


 ここまで言われたら目一杯歌うしかない。

 そういうわけで今日まで練習を重ねてきた。その歌を、今、ここで聞いている全ての人に届けよう。



「八十億分の一人の君と君と君と手をつないで前を向こう。」


 後ろで支えてくれるみんな ―萌、来夏、このみ、ライ君、ベースを担当してくれている小栗君、そして陽大君― の顔を振り返る。

 皆力強い、頼もしい視線を返してくれる。


 観客席を見ると、今日は共にステージに立っていないものの、いつも私たちを支えてくれる嶺亜(れいあ)君や、恭介先輩、晴先輩、朱莉先輩がしっかり見ていてくれている。


「光が見えなくたっていい。ボクらならきっときっと未来へ届くはず。」


 ふと、音楽部に入った時のことを思い出す。


 当時は歌うことができず、こうやってライブに出ている姿なんて想像もつかなかった。


 でも、今こうして多くの観客の前で歌っている。


 未来は良い方向へ変えられる。そう身に染みて感じた。


「さあ、手を結んで、次のステップに飛び出して、物語の糸を紡ごう。」


 この歌を聞いている全ての人に幸あれ。


 願わくばこの歌で、過去の私のように光が見えない人を照らせますように。


「この『キズナ』があればどこまでも行けるはず!」

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