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第二十五.〇話
「エントリーナンバー九十六番のグループの方、次なのでスタンバイしていてください。」
スタッフの方に言われて舞台袖にて待機する。
待っている時間が永遠のように長く感じる。
その永遠とも思われる時間、ずっと、頭の中で譜面を浮かべてポイントなどを復習する。
そして
「それでは次のグループ、登壇してください。」
と言われてステージに上がる。
*
そこにはこれまで見たことがないほどの観客が座っていた。
趣味で来た人もいれば、自分の出番が終わりほかのグループの歌を聞きに来た人、スーツを着たスカウトらしき人もいる。
そして最前列には審査員の人々が六人。
この会場にいる人すべてに私たちの歌を、想いを伝えよう。
そう決意して口を開く。
「聞いてください。『キズナ』」
めちゃ短いけど許してくださいm(_ _)m