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第二十二話

 夢里さんの言葉に挑戦的な笑みを浮かべて私は言葉を返す。


「だったら、なおさら私と組もうよ。私と歌うことが、一番の習得方法じゃないの?」


 夢里さんは考え込むようなそぶりを見せる。


 長い沈黙が私たちの間に流れる。


 先に沈黙を破ったのは夢里さんだった。


「本当にいいの?こんなに失礼を働いたのに怒ってないの?」

「怒ってないといえばうそになるけど、でもそれ以上にワクワクしてるの。

 夢里さんほどの実力者とも歌えるっていう現実に。これ以上に楽しいことはないでしょってくらい。」


 はあ、とため息をついて


「ほんとお人よしなのね。分かった。一緒に大会に出ましょう。あなたのうまさの秘訣をたくさん学ばせてもらうわ。」


 と言う夢里さんに小躍りしたくなるほどの高揚感を感じた。



 永田さんの歌声はすごかった。


 望月君が永田さんに声をかけた理由がよくわかるどころか、彼女の知名度がゼロなことが不思議なくらいに。


 調子に乗って勝負を仕掛けたものの、圧倒的な実力差を見せつけられ言うまでもなく惨敗。


 正直、私が日本一の歌手になるにはまだまだ実力が足りないと思った。


 私が日本一になるために、彼女の良いところを学べるだけ学ぼうと強く決心した。



「と言うわけで、このメンバーで歌うことになりました。」


 と先輩たちと先生に報告をした。


 リードは私、ソプラノは夢里さん、アルトは来夏、テノールは望月君、ベースは夢里さんのグループの男子、そしてボイパは香坂君に決まった。

 早速練習を始めようというところで


「今更なんだけど、名前の呼び方を名字とかじゃなくて下で呼ばないか?」


 と望月君が提案した。


「一体感と言うか、親密度が上がることで仲間としての意識が上がるんじゃないかなと。」


 この提案に


「いいんじゃないか。」

「私は賛成。」

「私も!!」

「私も...いいのかしら?」


 と皆口々に賛成して、これからは名前で呼び合うことに決まった。

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