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第二話

短いけど二本目...

 いつからだろう。

 歌おうとすると、いつぞやの目を合わせてくれない両親の顔が頭に浮かぶようになった。



「*+@%=、~¥^$#!」



 何と言われたかは覚えていないが、とにかくショッキングな内容だったことだけは覚えている。


 そんな情景が頭から離れなくなる。


 そんなことが続き、とうとう歌うことをやめてしまった。


 

 翌朝、昇ったばかりの日を背に、来夏とは別で学校に登校した。そして、誰もいない屋上へ行く。


 欄干にもたれかかりながら、ため息をつく。



「眩しいな。」



 楽しそうに部活の話をする二人が、私以外の人間すべてが。



「私も...歌えたらな。そちら側に、眩しい側に行けたらいいのに。」



 このトラウマから解放されたい。ただただ自由に生きたい。


 そう思っていると、



「...ララ、ラララー。ララ...ラララー。」



 弱弱しい声ではあるものの、どこか聞き覚えのメロディーが自然と自分の喉から出てきた。



「ラララ、ララ、ラララララ。」



 そのまま自分の思うがまま歌ってみる。すると案の定、



「うっ...もう...なんでまだ.........もう思い出したくなんてないのに…」



 ()()情景が頭に浮かんでくる。


 この苦しみをわかってくれる人がいつか現れてくれるだろうか。



 屋上への階段に金髪の男子が座り込んでいた。


 美しい容姿に似合わない痛々しい表情で



「この声、このメロディー...俺の心を揺さぶる。細くて弱弱しいのに、なんて、なんて美しい歌声なんだろうか。」



 静かに涙を流す男子生徒が、いた。

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