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第十三話

「君、歌はどこで歌い方を教わったんだい?どっかのボイトレとか?」



 落ち着きを取り戻した晴先輩が聞いてくる。



「ボイトレは行ったことないです。自己流というか、生まれ持った声というか。」


「これが!?生まれ持った!?」


「陽大君の言った通りだったって訳か。ほんとにすごい才能だ。」



 二人に驚かれる。



 ただ、本当に特別なことは何もしていない。小さいころから歌が好きで歌っていただけ。ボイトレとかに行っていたわけでもないし...。



「そうか...次のライブ、楽しみにしているよ。」


「ありがとうございます。頑張ります。」



 そう答えるとにこやかな顔で去っていった。



 教室を出て歩きながら話す二人。



「いきなり教室の中に飛び込んでいったからびっくりしたわ。」


「てへ☆彡」


「...」


「悪い悪い。久し振りに部活に来たら驚きの才能の持ち主に出会えて驚いてな。ありゃその前に見た薄い橙の歌姫ちゃんよりすごいかもな。」


「六月のコンサートが楽しみだ。」



 恭介がふと晴の顔を見ると薄いがクマができていることに気づいた。



「生徒会の仕事の方は大丈夫なのか?寝不足だろ?」


「全然大丈夫じゃないんだよ。ただまあ顔を出しに来ただけというか。まあそんな感じ。」


「晴も音楽部の中で突出した才能の持ち主なんだから早く仕事を片して帰ってきてくれよ。」


「わかってるって。」




 翌朝、教室でクラスメートでもある岸君に話しかける。

 真面目な風貌の持ち主の彼は実は生徒会副会長で、当然晴先輩と面識がある。



「昨日晴先輩に会ったんだけど...」


「あ、会っちゃったか。」


「何というか変人だよね。」


「うん。」



 はぁ~と大きなため息をつく彼。



「どうしたの?」


「いや、会長は少し変わっていてね。普通の会長ならだれでもいいからとりあえず庶務とかを採ったりするんだけど、会長は誰が生徒会に入るかにこだわりを持っていてね。

 かれこれたくさんの人と面接をしたんだけど、いまだに僕と会長以外生徒会メンバーがいないんだよね。」



 麗英高校の生徒会システムについて少し説明をすると、生徒が選挙で選ぶのは会長と副会長のみ。他の役職 ―会計とか書記とか庶務とか― は会長が直接任命することができることになっている。

 


「そうだ!永田さん、一回生徒会に来てみない?多分君なら会長も気にいるはず!」


「その話、俺も行ってみてもいい?」


「望月君!?」



 どこから話を聞いていたのかわからないが、そこに望月君はいた。



「生徒会メンバーは面白そうだし、会長に気に入られるかはわからないけど...」


「オッケー。永田さんも?」



 いつの間にか断れない流れになっていた。まあ、断るつもりはなかったが。



「分かったわ。」


「それじゃあ放課後に生徒会室に来てね。」


 

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