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第十話

 その日の部活にて



「それじゃあ永田さんが無事歌えるようになったし、本格的に活動を始めようか。」


「でも陽ちゃんや、具体的に始めるってもどうするんだ?」



 香坂君の質問に岸君が



「それなら...」



 と四つの紙束を取り出して、



「これ、さっき恭介先輩が、最初の曲はこの中から選んで練習をするとといいって。あと、基礎練とかは後で説明するって。」


「なるほど。この四曲か。」



 皆で曲の譜面を手に取って見てみる。初めてのライブで披露する曲になるであろう曲を選ぶのだと思うと少し緊張する。


 一曲目は往年の名曲。男性パートが多いバラードだ。



「うちは永田さんを中心に進めたいからこれは合わなさそうだね。」


「うん、あと、ちょっと地味だよね。」


「次行ってみよう!!」



 二曲目は少し前に流行っていた映画の主題歌。今でも時々お店のBGMとして利用されたりしている。



「これはありだな。」


「少し暗めの雰囲気なのが僕はあまり好きじゃないけど。」


「いや、星華なら魅力的になるのでは?」


「とりあえず候補にしておこうか。」



 三曲目は新規気鋭のアイドルグループの曲だ。ふわふわの感じの曲であるが



「これは却下。」


「うん、うちのグループの曲ではないね。」


 

 と、問答無用でボツ。



 そして四曲目が



「これは!!!」



 最近発表されたばかりであるものの、様々な音楽サブスクでトップを記録している曲だ。ただし、巷で難易度の高さが異次元であると噂になっている。



「...すごく面白そうな曲ではある。」


「やってみたいけどなぁ。どう思う、陽ちゃん?」


「うーん。永田さんは歌えそう?」


「私?私は...」



 軽く口ずさんでみる。すんなりと自分の喉を通って小さくはあるが確かなメロディーが奏でられる。



 一度強くうなずいて



「歌える。私はこの曲を歌ってみたい。」



 と言うと



「まあ、星華ちゃんがそこまで言うなら私もこの曲に一票で!!」


「私も。」


「俺も。」


「僕も。」



 皆が同意する。



「じゃあ、決まりだな。俺たちはまず、この曲に挑戦しよう!」


「「「「「おー!」」」」」

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