表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
※休載中 婚約破棄されたお嬢様がこちらを見ている。どうしますか?  作者: ナロー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

83/138

その83 ストーップ!


「いっけぇー!」


 少女の掛け声とともに、はたきの布の部分が伸びてくる。まるでタコやイカの触手のように、逃げ走る俺へと迫ってくる。

 ……が、そこで閃いた。逆にこれを利用すれば……。


 俺は敢えてそのはたきの触手を避けることも弾くこともせずに、自分の右腕へと巻き付かせた。少女が言う。


「捕まえた!」

「へっ、それはどうかな」

「……⁉」


 少女がはたきを持っているのならば、彼女と俺はいまはたきを通じてつながっているということ。つまり……。


「うらあ!」

「きゃあ⁉」


 俺は右腕を動かす。強い筋力によって、はたきを持つ少女は箒から離れて上空へと飛び上がっていった。


「本当に脳筋馬鹿力だった!」

「誰が脳筋馬鹿だ!」


 メイド服のスカートを押さえる少女が落下の態勢に入る。空飛ぶ箒がある以上、またそれに乗られたら、せっかくのチャンスがふいになっちまう。

 俺は再び右腕を動かす。今度は少女の身体をこっちへと引き寄せる為に。箒に乗る時間など与える間もなく、彼女を気絶させる為に。俺は拳を握りしめる。


「せめて顔じゃなくて腹にしといてやるぜ」

「……っ」


 女を殴る趣味はないが、先に仕掛けてきたのは向こうだ。悪く思うなよ。

 空中にいる少女の身体が勢い良くこちらへと落下してくる中、彼女はスカートを押さえていないもう片方の手を俺へとかざした。


「『ナインナイブズ』!」


 その手のひらの先に、九本のナイフ……微妙に形状の異なる九種類の包丁が出現する。おいおいまさか……。


「いっけぇー!」


 そのまさかの通り、九本の包丁は切っ先を俺へと向けて、高速で落下してきやがった。

 くそがっ! マジで気絶させるだけじゃ済まなくなるぞ。

 だが仕方ない。俺だって痛いのは嫌だ。それにこれは少女のスキルで作ったもの、ならば彼女の意志で消すことも出来るはず。さすがに自分に刺さる前に消すだろう。


 とにかくまずは自分の身を守らねえと。降ってくる包丁を吹き飛ばす為に、俺が拳を振り抜いて拳圧を放とうとした……その時。


「ストーップ!」


 不意に道の先から大声が響いた。ファラだった。


「お嬢様⁉」


 馬車から降りて、珍しく険しい表情をしているファラを見て少女が慌てた声を出す。ファラの怒ったところはいままで見たことがなかったが……思わず俺も一瞬びびっちまうくらいには怖かった。


「マイ! いますぐスキルを消しなさい!」

「は、はい!」


 上空から降りかかろうとしていた包丁が霧のように消えていく。ひとまずの脅威がなくなって俺も拳を下ろすと、メイド少女がスカートを押さえた格好で器用に着地していった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ