その75 全員倒したのか?
ダイナマイトの爆発を内部に抑えることは出来たものの、結果的にはそれによって空気弾自体は壊れてしまった。
つまりある程度強い冒険者なら、スキルを使って突破出来るということだ。
レノが肩をすくめながら言う。
「本当は私のスキルで、爆発する前にばらばらに出来れば良かったんだけどねえ。あいにくそんな余裕が持てなかったから、誰かさんが見つかっちゃったせいで」
俺を見ながら言うな。だがしかし……。
「悪かったよ。反省してる。もっと周囲を警戒しとくべきだった」
素直に謝っておく。俺がもっと注意していれば、こんな強行策に出る必要はなかったんだからな。
「ジークさん……」
そんな俺を見て心配そうに声を掛けようとするファラに、レノが言った。
「あー、ファラちゃん? 庇う必要はないからね? こいつだって一応冒険者の端くれだし、言わなくても分かってるから」
「…………」
ファラが口を閉じて俺を見る。レノの言っていることは正しいので、俺はうなずいて見せた。
それから俺はみんなに言った。
「これで強盗は全員倒したのか? 俺はあっちで一人倒したんだが」
確認出来た限りでは、強盗は合計で五人いたはずだ。他にもどこかに仲間がいるかもしれないから、確かめなくちゃいけないが。
「おや、立ち直りが早いねえ、ジーク」
からかうように言うレノに、
「反省はしてるし悪いとも思ってるさ。だがいまはくよくよするよりやるべきことをやらねえとな。お前だってうじうじされてたら困るだろ」
「まあねえ。久し振りだなと思ってさ、ジークとまた何かやったのは。懐かしいねえ、この感じ」
「年寄りみたいなこと言ってねえで、早く周りを確認してくれ。探知の糸を張り巡らしてんだろ」
「ういーっす」
なんかちゃらい奴みたいに答えて、レノが両手をくいくいと動かす。近くにいたファラ父もまた、
「レノ嬢ばかりではなく、私もこの眼で見渡してみよう。ふんっ」
そう言うと、少し屈んだ後にその場でとてつもない高さまでジャンプしていった。足先から一陣の風……風圧が巻き起こったことから、このおっさん、空気弾を足の下で破裂させて、その勢いでハイジャンプしたらしい。
周囲にあった木立のてっぺんを軽く跳び越えていくおっさんを見ながら、
「俺と戦った時手加減してやがったのか?」
思わず俺はつぶやいていた。空気弾にものを閉じ込められるわ、こんだけの高さをジャンプ出来るわ、あの時これらのことをされていたらもっと苦戦していただろう。




