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その7 ギルド


 ファラは人と話すのが好きらしく名残惜しそうにしていたが、俺を無理に引き止めるわけにもいかないし、自分も家族に報告しなくてはいけないということで、互いにお別れとなったのである。

 まあ俺は午後のクエストを受ける為に、ギルドへと向かったわけだが。あとで補填されるとはいえ、また多額の出費を余儀なくされたわけなんで……。いや自分のせいだけど。

 ご立派なギルドの両開きの入口を開けて中へと入る。知り合いのギルドの女職員が声を掛けてきた。


「よおジークじゃないか。午後のクエストか?」


 気さくでラフな態度。他の冒険者には普通に丁寧に接しているので、なんで俺だけと思わないこともない。まあいいけどよ。

 彼女は俺へと近寄ると、馴れ馴れしく俺の肩に腕を置いて、ニヤリとした顔で言う。


「聞いたぜ。また一騒動起こしたそうだな。今度は誰に喧嘩を吹っ掛けたんだ?」

「別にどうでもいいだろ。それより……」

「何だよー、つれねーこと言うなよー、私とお前の仲じゃんよー」


 うわうっざ。


「ああもう、どっかの貴族だよ。どこだっけ、なんか名門とか名乗ってたな」

「名門貴族? おいおいとんでもない奴に喧嘩売ったのか? やだぜ、馬鹿とはいえ知り合いがムショにぶち込まれたり国外追放になるのは」

「お、脅かすなよ」

「まあお前なら逃げ切れるだろうけどよ」

「追われること前提かよ。いいからさっさとクエストを紹介してくれよ。ついさっき金欠になって金がいるんだよ」

「はいはい承知しましたよお客様。ではこちらの受付へどうぞ」


 彼女は俺から離れると、まるで執事のように芝居がかったお辞儀をして、目の前の空いている受付へと案内した。こいつはこういう奴なんだ。

 受付に着いて、女職員が受付嬢に挨拶をして離れていく。受付には椅子が置いてあるが、俺は座らずに立ったままでいた。特に疲れてないし、座りたい気分でもない、ただなんとなく立っていたいだけだ。

 受付嬢が頭を下げてから話し掛けてくる。


「いらっしゃいませ、お客様。クエストの受諾でございますね」


 この受付嬢とも何度か会っているが、ちゃんと毎回丁寧に対応してくれる。さっきの奴とは大違いだ。


「ああ。何かないか? なるべく報酬が高いの」

「少々お待ちください。ただいま検索してみます」


 受付嬢は大きめの本型のサポートアイテムを取り出して、それを開く。するとページの上にメッセージウィンドウが出現して、様々な文字列が並び始めた。

 この文字列にクエストに関する色々な情報が列記されている。討伐や採集などのクエストの種類に始まり、クエストに設定されたランク難易度、達成時の報酬や受諾する為の条件などだ。



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