表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
※休載中 婚約破棄されたお嬢様がこちらを見ている。どうしますか?  作者: ナロー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/138

その24 わざわざ


 俺の言葉にウエイトレスが言ってくる。


「ちょっと、言い過ぎじゃない?」

「はあ? なんで貴方が彼女達親子の肩を持つんですか? そのおっさんはこうなった元凶で、この店を壊した本人で、俺だけならまだしも危うく無関係の子供まで大怪我させるとこだったんだぞ」

「それは……そうだけど……」

「ならちゃんと誠意のある対応をしてもらわないと」

「…………」


 俺はファラへと向き直る。彼女は真面目な顔で言った。


「ジークさんの仰る通りです。先程も言いましたがこのお店の弁償は全額致しますし、ジークさんの怪我の治療費もお支払い致します。道路に空いてしまった穴の修繕費も街の役場に掛け合ってお支払いします」

「まだあるだろ。あの子供や親御さんにも謝罪と慰謝料を支払いな」

「はい。分かっております。その他にも出来る限りの対応を……」


 その時、不意に彼女の言葉を遮って。


「……ファラが謝る必要はないさ……」


 ファラ父の声がした。どうやらようやく目覚めたらしい。俺達の話も途中から聞いていたようだ。

 おっさんは側頭部……俺が蹴り飛ばした箇所を痛そうに手を当てながら起き上がった。


「痛たた……まさか本当にスキルを使わずに私に勝ってしまうとはね。これでも私は現役の頃はAマイナスランクはあったんだが……」

「お父さん……っ、まだ寝ていないと……っ」

「いや、そんな暇は許されないだろう。迷惑を掛けた皆さんに謝罪しなければならないからね」


 おっさんは俺とウエイトレス、そしていつの間にかショートケーキを持って戻ってきていた店長の前まで来ると、さっきのファラのように深々と頭を下げた。


「本当に申し訳ないことをしてしまい、すみませんでした。ファラも言っていたが、この弁償は必ず致しますので」

「「…………」」


 ウエイトレスと店長が顔を見交わせる。店長が一つうなずいて、ウエイトレスも息を一つついた。


「まあ、ちゃんと元通りに直してくれるのなら……」


 おい、俺の時と態度が違うのは何でだよ⁉ 別にいいけどよ、くそっ!

 ウエイトレスが俺を見る。


「私と店長は許したけど、あんたはどうなのよ?」

「ふんっ。わざわざ言うことかよ。俺に死体蹴りをする趣味はねえんだ。ちゃんと謝って弁償もするんならそれでいいのさ。だがな……」


 俺はスプーンの先をおっさんへと向ける。


「さっきも言った気がするが、あの子供と親御さんにも謝りに行けよ」

「言われるまでもなく。あの子には怖い思いをさせてしまったからな」


 顔を上げたおっさんは強い意志を持った目と声でそう答えた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ