表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
※休載中 婚約破棄されたお嬢様がこちらを見ている。どうしますか?  作者: ナロー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/138

その20 『吹き飛ばし』


「さて。それじゃあ可愛い愛娘の平和を守る為に、パパが一肌脱いじゃうぞ」


 そんな親馬鹿発言をしてファラ父が俺へと飛び出してくる。おいおいこいつ本当に貴族かよ⁉ 一流の冒険者レベルの身体能力じゃねえか!


「ほいっと」

「く……っ」


 おっさんが振り抜く拳を、とっさに首を横に傾けることでぎりぎり避ける。拳圧のせいか、俺の頬に一筋の切り傷が出来た。


「ほいほいほいっ」


 立て続けにパンチが飛んでくる。くそっ、ふざけんなよなっ! 俺は辛うじて避け続けてはいるが、上着の至る所には頬と同じように裂け目が出来ていっていた。


「中々やるね。いや、私の腕が落ちたのかな」

「くそがっ!」


 お返しに俺も拳を繰り出すが、それは難なくおっさんの手のひらで受け止められてしまった。衝撃が風圧となって周囲へと駆けていく。


「ふむ。良い拳だ。だが何故スキルを使わないのかね?」

「てめえみてえなおっさんなんかスキルがなくても充分だからだよ!」

「……なるほど」


 おっさんの手のひらに淡い光が宿る。さっきと同じスキル発動の光だ。俺は慌てて拳を離して飛び退こうとするが。


「遅い。私のスキルは空気すら吹き飛ばせる」


 直後、おっさんの手のひらから光をまとった半透明の球体が放たれて、俺の腹へと直撃する。が……は……っ⁉

 俺は堪らず数メートル吹き飛ばされるが、なんとか地面に手をつけて急停止させると、その場でバック転するようにして地面に足を着けた。


「がっ、がはっ⁉」

「ほう。流石に空気をぶつけただけじゃ、その程度にしかならないか」


 ふざけやがって……! その程度でこんなに痛てえのかよ! いや、空気を介していたからこそ、腕を地面にめり込ませることなく停止出来たのか。

 だがしかし、これで奴のスキルについて分かってきた。


「はっ! てめーのスキルは『吹き飛ばし』で、発動条件は『身体に触れていること』か!」

「ご名答。いや、これだけ分かりやすいのに分からなかったら、むしろ駄目か」


 突然始まった殴り合いに、道にいた奴らはびっくりしているばかりだ。中には巻き添えを喰わないように逃げている奴もいるが。


「さて。私のスキルを紹介したのだから、今度は君のスキルを教えてもらおうかな? ちゃんと娘を守り抜けるスキルなのかをね」

「…………」


 対人戦闘におけるスキル情報の有無は、勝敗に直結する可能性が高い。スキルを知ることで対策が可能になり、またスキルを知られないことで不意討ちや奇襲が出来るからだ。

 しかし、そうだな、こいつを諦めさせる為には敢えて言っといたほうがいいだろう。


「期待しているとこ悪いが、俺はノースキルなんでね」

「ノースキル……?」


 おっさんの目がきょとんとした。本気で予想外だったんだろう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ