プロローグ
活気に溢れる城下町。
商売に精を出す者、友人と談笑する者、
走り回って遊ぶ子ども達の声。
今日も今日とて喧騒に包まれる城下町とは
反対に王城はしんと静まり返っている。
「はぁ….」
ここは龍人族が暮らす国ドラガシア。
その王都であるグラウルグ。
王城の一室で溜め息をつく者。
彼の名はロッソ。
齢26歳にして国王である
《龍王》の座に着いた青年。
「すいません、クリムさん。
こんなに待たせてしまって。」
王座に座る彼の近くに侍る女性に声をかける。
「気にしなくていいさ。アタシも午前中は
暇だしね。ま、これもあの子らしいといえばあの子らしくていいんじゃないか。」
そう気さくにロッソに応える
彼女の名はクリム。
龍王にフランクに接しているが
これもロッソのスタンスが故。
ロッソは立場がどうであれ
年長者には敬意を払う。
若輩者はそれらしく扱ってほしいというのが
彼の談。
「けど1時間も過ぎてる。
流石に看過できないでしょう。」
彼らはここである人物を待っている。
約束の時間は午前9時だが、
現在時刻は10時過ぎ。
国王との約束を前に1時間も遅刻をしているようだ。
「とか言いながら…お?
ロッソ、ほら見てみな。外。」
クリムが窓から見える城下町から続く王城までの道を指す。
そこには走って王城に向かってくる
赤い翼の少女の姿が。
「はぁ、全くあの子は…」
軽い溜め息をつきながら
ロッソはどこか嬉しそうな笑みを浮かべた。
初めまして!
豹上レオハと申します。
PCに残っていた過去に作るだけ作っていた
オリジナル小説をちょっと添削して
投稿してみました。
不定期ではありますが、投稿を続けられるよう
頑張りますので宜しくお願い致します。