ディクショーレ ディスキー:アマウディラハ
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「知識の迷宮……1800年……今から約37年前に突然皇都近くに現れたダンジョン。元は打ち捨てられた廃墟があった場所だったけどいつの間にかそこにあったて。」
揺れる馬車の中、トーマスの説明が流れる。
今、私達四人は皇都を囲む壁を潜り、ぱんふれっと?という物を読んでいる所だ。
今回は親方にお願いして通行許可を貰った。
それを聞いたのかトーマスとクーちゃんも同行する事になった。
「それで~。銀髪のお嬢様?」
向かいの席に座るクーちゃんが私の隣に座るレーナに話掛ける。
「何でしょうか?」
彼女は退屈そうに窓に向けた顔を僅かに正面に向け、返事をした。
「初めまして〜!私はクラリス。貴方の名前は?」
「レーナ。」
「レーナちゃんて言うんだ〜!ねぇねぇ!普段は何してるの?何処に住んでるの!」
クーちゃんがグイグイとレーナに迫っている。
大変そうだ。
「ねぇ。良いかい?」
トーマスが小声で話しかけてきた。
彼に目線を向けると彼は手招きをしているので顔を近づける。
「彼女とはどこで知り合ったの?」
私はクーちゃんに詰め寄られているレーナを一瞥してから話出す。
「イースト・ピリオドの奥まった所で出会った。そこで今日行く所を教えてもらった。」
「ふーん?」
彼は相変わらずクーちゃんに質問攻めされるレーナを見ている。
どうしたんだろう。
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私の目の前にあるのは住まわせて貰っているダンフォード邸よりもでかい……そう、以前訪れた皇国博物館と同じかそれ以上の大きさの確か大理石と言った材質の白い建物がそこにあった。
予想だにしていない外見から思わず見とれてしまった。
ダンジョンとは魔物が跋扈し、罠が所々仕掛けられた危険な場所だと聞いていたが見る限りそんな事はなさそうだ。
何せ皇都博物館で展示されていたビクロン神殿だったかな?それに似た外観も持ち、入口と思われる場所には人の列が出来ていた。
列に並ぶ人達はジミーさんやカイシャの人たちが着ているスーツやドレスを着ており、およそ冒険に出かけるような恰好をしていない。
「ここって本当にダンジョン?聞いていたのと全然違うのだけど。」
私は呟くように尋ねる。
「あぁ、ここは特殊でね。世界中で唯一安全なダンジョンだって。」
トーマスがぱんふれっと?を私に向ける。
確かにそう書かれている。
「ここは世界中から知識を求めて訪れるんだって。さぁ、並ぼうか。」
私達はトーマスに促されて列に並ぶ事にした。
「はぁ、それにしてもどうしようかな~。」
クーちゃんがふと漏れ出るように呟いた。
「どうしたの?」
「実はね。団長にここには行くなて言われてたの。」
イージオンに?
「なんで?」
「さぁ、それはわかんないけどおおよそは想像がつくんだー。」
「例えばどんなの?」
話を聞いていたトーマスが問いかける。
「多分だけど未来に囚われるのを嫌ってるんだと思うんだ。」
「未来?囚われる?どういう事?」
「ここが知識の迷宮て言われる理由は知ってる?」
どうしてそう言われるようになったか?
私は周りを見渡し1つのアイデアを思いつく。
「足場となる岩棚が無いから。」
「うん。それ良いね。でも違うかな。」
違うかー。
私は肩を落とす。
「ここは世界中の知識が集まるて言われていてね。過去、現在、そして未来の。だから未来の誰が唱えた事に影響されて現在の可能性を潰すなんて論外だ。って団長が言うんだ。」
現在を潰す。
確かに人は何かに触れる度に色が変わっていく。
だから、色々な事に触れ、自分の物にするようにとお父様に教わった。
だから、将来を分かってそれに倣って行動するのは良さそうだがどうだろう。
「とりあえず。私は本を読まないようにするね。」
「分かった。それだったら私達だけで探す。」
「リーティエ。僕も探すよ。僕はそういうの気にならないから。」
「ありがとう。お願いする。」
トーマスの申し出を受け入れた。
そうこうして列は進み受付の前へとたどり着いた。
「いらっしゃいませ。何名様でしょうか。」
「四名です。」
「かしこまりました。それでは2800クィドになります。」
受付の女性にそう告げられトーマスが代表として入場料を出す。
「確かに受け取りました。それではこのダンジョンの注意事項をお伝えいたします。一つ目、このダンジョンは必ず1時間で出てください。二つ目、本を持ち出さないで下さい。三つ目、本や建物を傷つけるような事はしないで下さい。以上です。では良いお時間を。」
私達はそう言われ、名簿に名前を記入後にチケットを受け取る。
それにしても入るのに決まりがあるのは不思議だ。
ダンジョンだからだろうか?




