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ロンテモアヴィツェシーホエルティシーオエルティシーピジーシトンベルシー

イエツィア歴1837年9月中頃。


「お互い!礼!構え!」


朝の日差しに照らされる中、私達はロン式の礼をし、お互い構える。

号令がかかるまで息を大きく吸い、ゆっくりと吐く。

それを何度も一定の間隔で繰り返す。


合図がかかればすぐに飛びかかる。

それまでに弓を絞るように力を貯める。


「始め!」


合図と共に私達は走り出す。

相手‐ハオシュエンさんに向かって距離を詰め、手が届くかどうかのタイミングで走る勢いをなるべく殺さないように後ろに倒れつつ地面に手を着き顔へと蹴りを加える。

だが、蹴りは片腕で防がれ、そのまま私の足ごと腕を回し足を腹の位置まで持っていきそのまま私を振り回す。

うめき声を挙げながら打開策を考えるが振り回されてる状態でまともに考えられる訳なく投げ飛ばされた。

私は地面にぶつかると同時に真横に転がり衝撃を軽減させて立ち上がる。


失敗した。

立て直さないと。


私が動こうとするとハオシュエンさんすぐ目の前まで近づいていたのでショーテイを顔に向けて繰り出す。

それをハオシュエンさんは手の甲で回すように弾く。

なら!

私は蹴りも織り交ぜた激しい攻撃を繰り出す。

左右のショーテイに顔に向けての蹴り、脚に向けての蹴り、胴に向けての回し蹴りを繰り出す。

だが全て防がれて軽々と弾かれ、ソーショーダという両手での押し出すようなショーテイで吹き飛ばされた。

胴に強い衝撃を受け、後退ってしまう。

さすが、ハオシュエン。

前よりも強くなっている。

直接勝負は無理そうだ。

なら搦手で。


私は呼吸を整え、構える。


私の雰囲気が変わった事を察したのか彼も構えて様子を伺っている。

二人の間に静寂が流れる。

私は動かない。

動くとしたら彼からだ。


ただ、私は待つ。


「ッ!」


ハオシュエンさんが動き出した。

凄まじい速さで距離を詰めてくる。

分かりやすく拳で攻めてくるので拳に私の手の平を添えて勢いを殺さずに受け止めて腕に体を巻き付けてそのまま腕を身体全体で捻って彼の体を地面に倒す。


「グッ!」


彼の体を両腕で抑え、腕を身体全体で伸ばしてジリジリと痛めていく。

この状態になれば私が力尽きるまで痛め付ける事が出来るだろう。


そう思っていた時に彼が私の片足を持ち上げ、素早く体を捻って起き上がった。


『な!』


これを抜けるの!

彼が拳を上げて殴りかかろうとしたので拘束を解いて地面を転がって避ける。

軽い振動を感じながら立ち上がり彼を見るとこちらに向かって殴りかかって来たので私も両手を地面に着き、そこを起点に回し蹴りを繰り出し拳を蹴りつける。


足にしびれを感じ、拳と足が止まる。


「そこまで!」


シンユーさんに止められる。

その声にお互い離れる。


今日もダメだった。

毎日組手をしてるがハオシュエンさんに勝てない。

まさか抜け出せなかったあの関節技を抜け出すなんて……


あぁ、やって抜け出すんだ。


「リーティエ!ハオの対策をしてきたのは伝わった。だが、なにか企んでいるのはひと目見て伝わってきたから悟られぬようになるべくいつも通りの雰囲気にしろ。」


やはりか。毎回勝てないから毎晩考えるがうまくいくいっていない。

剣や魔力を使えたら勝てるだろうがそれじゃあ意味がない。


どうしたら良いのだろうか?


「リーティエ!聞いているのか!」


シンユーさんにそう言われ、思考の水底から浮かび上がる。


「考えるのも良いが例え他人の事でも話を聞け!そうすれば思いがけない考えが思い浮かぶものだぞ!」


「……はい。」


怒られてしまった。


その後、休憩を挟み毎回最後に行っている最後の鍛錬を始める。

やることは簡単。

薄い板を挟んだ向こう側の果物を砕く。

もっと詳しく説明すると台の上に置いた果物にピッタリと板をくっつけて立てかけ、その状態で果物を触れずに果物を砕くというもの。

初めて聞いた時は無理なのではと思ったが拳に纏った魔力を板を伝って果物に伝えるという方法で砕くとの事。

…………初めて聞いた時も出来るのかと思ったが実際に目の前で見せられたのでやってみる事にした。


朝の澄んだ空気の中、木の板特有の軽い音が響く。

握った拳で板を殴っているがうまくいかない。

これは強く多く殴れば良いという物ではなくいかに果物に魔力を伝えるかが重要である。

目の前でシンユーさんが板に手を添えて果物を砕いているのでそうだろう。

それは分かっているが上手く説明出来ないけどなんかこう何回もやれば出来るのではと思ってしまって、つい何度も殴ってしまう。


おかしいな?

魔力は腕に纏っていて後は流すだけなのに上手くいかない。


「リーティエ。何度も言っているが気-エーテルは力強く殴れば良いものではない。エーテルを感じ取り流して、木へ、マルスへ伝えるんだ。」


そう言っても魔力は私の体から離れず、何も変化は無し。

どうしたものかと悩んでいると軽快な音がハオシュエンさんの方から響いてきた。

おおよその予想は付いていたが振り向くとハオシュエンが板越しにマルスを砕いていた。


前にもコツを聞いたが果物に向けて(エーテル)を押し出すように言われた。

どうやってやるんだろうか?。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さて、どうしたものか。

私は朝の混み出す直前の帰路を歩く。

教えてくれと頼んだは良いが全然成果が出ない。

毎日鍛錬を行なっているが、こう成果出ないのは申し訳ない。


『明日は何かコツが………』


私は途中で口を注ぐんだ。

本当はこんな事をするのではなく家を探すのが先決だ。

だが、唯一の手掛かりは文字が読めないとダメ。

もう大丈夫かと思って改めて行くも見つからずダメ。

私は……


『私はいつになったら帰れるのだろう?』


途方に暮れて空を見上げた時-


「わぁああああ!」


突然悲鳴が聞こえ、空を見上げた私に少女?のおでこがぶつかって意識が暗転した。

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