ディスタン。リジ ピソン トションリシリジタンシ ジェンテンシ
シンチュリーと呼ばれた私と同い年の少年がこちらに来た。
彼は頸ぐらいの長さの緑髪を馬の尻尾のように束ね。
動くのに適した服装をしていた。
「こいつはわしの孫シンチュリーじゃ。リーティエ。よろしく頼むぞ。」
ヒューゴが彼の紹介をするとシンチュリーと呼ばれた少年が手を差し出す。
「僕はシリル。よろしく。」
「リーティエ。よろしく。」
私は彼に答えるように手を握った。
「さて、簡単な挨拶は済んだ事だ。組み手をして欲しい。リーティエは準備してくれ。」
「わかった。」
私が準備に取り掛かろうとした時にヒューゴが手招きをして私を呼ぶ。
なんだろう?
「お主には1つ縛りを設ける。」
ヒューゴが私に小声で話す。
色々と疑問に思いながらもヒューゴの話に耳を傾ける。
「お主は魔術を使用を禁じる。」
「…………マジュツてなに?」
私は思った事をそのまま言う。
「…………何?……お主。魔術を知らんのか?」
ヒューゴが怪訝な瞳でこちらを見つめる。
「魔術というのは空気中に漂っているエーテルを操作や置換……火とか水に変える技術じゃ」
それは……
「普通はな……大掛かりな装置、魔導機を使わんとエーテルの変換ができんのじゃが、わしを含めて一部の者はなそれを感覚でやってるんじゃ。」
ヒューゴが魔術の事を説明してくれたがようは…………
「それは『魔』‐」
私が魔法と言おうとしたがヒューゴが手の平を私に向けて私黙らせる。
「だが、特異な事に頼った奴は弱い。強い奴はな、平凡な事を極めその上で特異を使う。じゃからお前は魔術を使うないいな?」
魔法をを使うな……か。
剣を極めるのに魔法が上手になるのはなんだか変だから使わないようにするのは納得だが。
なんで話すのを止めたのかは分からないが。
「分かった。」
「ん。よろしい。それじゃ。やってこい。」
ヒューゴが私の背中を叩いて押し出す
私は背中を摩りながらシンチュリーの元へ歩いていく。
「おじい様と話していたようだけど何を話していたんだい?」
「なんでもない。」
魔法を使うな。なんて言えない。
手段を制限してるなんて手を抜いていると思われてしょうがない。
だから、黙っていよう。
「そう。はい。これが家で使っている木剣だよ。」
そう言い木剣の刃部分を持ち私に差し出す。
それを私は受け取り、見分する。
木剣は私が受理したダンフォード家の剣とは違い刀身はサーベルのように軽く湾直しており、先ほど見たマドウケンと似た丸いシリンダーという丸い物体と引き金が覆う割っかが付いている。
私は木剣を両手で握り、輪っかに人差し指を入れ、軽く素振りをする。
しばらく振ってみて大体掴めた。
振るのは問題ないが、振るたびに人差し指と中指で挟んでいる輪っかが気になる。
振るたびに二つの指を輪っかが無理やり離されるのが気になる。
「どう?問題ない?」
「……気になる所もあるが大丈夫。」
「そう。じゃあ。始めようか。」
彼がそう言い、私と彼は少し離れた位置へ移動する。
私は剣を上げ、すぐに攻撃に移れる構えを取る。
彼は剣を正面に構えどんな攻撃も受け止められる構えを取る。
こういう相手には魔法をぶつけて崩してそのうちに斬りかかるのが良いとお父様が言っていた。
確かにそっちの方が効率的だと思う。
だが、今回は魔法を使うなと言われている。
それならしょうがない。
答えは戦いの中にあるとお父様が言ってた。
戦ってれば何とかなるだろう。
「行くよ!」
彼が痺れを切らしたのか先に仕掛けてきた。
彼は私が防ぐのが難しい胴を薙ぐ。
それを後ろに下がって避けて反撃に木剣を振り下ろす。
それを彼は木剣を上げて防ぎ、剣を切り替えして横薙ぎに切り払ってくるので手首を回して剣を防ぐ。
私は剣を切り上げながら下がり2、3歩下がり、再度飛びかかり木剣を振り下ろす。
それを彼は弾いて更に切り掛かって来るのでそれに合わせて何度も剣を切り結ぶ。
なるほど、素直に上手いと思う。
だが、今は体力を温存して戦っていこう。
それから相手の動きを大きくするため体捌きを用いて空振りさせたり彼から離れるように距離を開けるようにする。
「はぁっ!はぁっ!はぁっ!真面目に戦え!」
彼は息を切らしながら私を怒鳴る。
たしかに私は切り結ばずに時間を稼いでいる。
そろそろ仕掛けても良いだろう。
私は彼に何度もやった通り木剣を振り下ろす。
それをすると彼は木剣を横にして防ぐので木剣同士がぶつかる瞬間に力を抜いて私の木剣が弾かれるようにする。
弾かれると同時に剣を回し、脚を払う。
「うわぁああ!」
彼は叫び声を挙げながら倒れたので追撃に体に木剣を振り下ろす。
それを彼は地面を転がり避けて離れた。
「ハァッ!ハアッ!」
息が荒く、揺れる剣先を私に向ける彼に対して息を大きく吐き、まっすぐ彼に剣先を向ける。
「でぃやぁ!」
彼は勝負を決める為に先に動き頭上木剣を上げ、振り下ろす。
それを私は剣を脇に下ろし、横に避けながら両手に向けて振り上げる。
木剣は両手当たり彼の木剣に当たり吹き飛ぶ。
私は木剣を切り返し、彼の首に向ける。
「私の‐」
勝ちてなんて言うんだっけ?
まぁいいや。
私は自信あるように笑った。
「この!」
彼は木剣を掴み、襲いかかって来たので木剣から手を離し、彼の体をかがんで掬い上げ、投げ飛ばす。
「ははっはー!やめいやめい!もう準備運動はしまいじゃ!」
ヒューゴは地面に寝転がる彼を見、笑いながらこちらに来た。
「でも!おじい様!彼女は逃げてばかりで!」
「それも1つの戦いじゃ!さぁ、今日の稽古をつけてやるからさっさと行くぞ。」
その言葉を皮切りにここでの鍛錬が始まった。




