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見習いシスターと温君と人生相談と

スタバの新のオーツ麦を使ったフラッペは可も不可無く微妙でしたね。

広場の端の植木にて心を落ち着かせる。

なんだったんだろう。あの紙。


「あのぅ。落ち着いたでしょうか?」


彼女は私の心配をしている。


「えぇ。大丈夫。」


「そうですか!良かったです。」


彼女は胸に手を当て安堵する。


「心配してくれてありがとう。レディ。」


クラウディオが彼女に礼を述べる。


「いえ、私は見習いとはいえシスターなのですから。あと私はブリターニと言います。」


「ありがとう。ブリターニ。」


私は彼女にお礼を言う。


「いいえ誰かを助ける事がシスターの勤めですから。」


「それでブリターニも遊びに来たのかい?」


「いいえ。私は聖歌隊の一員としてここに来ています。」


セイカタイ?


「へぇ。君は聖歌隊の一員なんだ。すごいね。」


「えぇ、ありがとうございます。」


「セイカタイて何?」


私はなんとなく質問してみた。


「君。聖歌隊も知らないの?」


今、ちょっと馬鹿にされたような。

そう思っているとブリターニが説明をしてくれた。


「聖歌隊とは教会に所属してる歌唱集団の事です。」


「つまり教会の歌を歌う集まりだね。」


また分からない単語が出た。

()()()()()()()()()


「お姉ちゃーん。時間だよ!」


疑問に思っていると遠くから姉を呼ぶ声が聞こえて来た。


「あら?アルモリカ。もう時間なんだ。そろそろ行かないと。それじゃ良い日を。」


そう言いブリターニは私達と別れた。


「良い子と出会って良かったよ。」


「これも占いの結果?」


「あぁ。そうだね。そうだ。歌聴きに行かない?」


「えぇ。いいよ。」


私の疑問も解消するだろうから了承した。

それから私達は広場の一角の多くの人が乗れそうな大きな台の近くに来た。


「僕も話を聞いただけどここクラウディアの聖歌隊の歌唱力は高くて有名なんだって。」


「へぇ。」


何が高いのか分からないがなんかすごいのだろう。


そう思っていると台の上にぞろぞろと少年、少女が乗っていく。


「見て。ブリターニがいるよ。」


彼の視線の先には何か影のある表情をするブリターニがいた。

どうしたのだろうか?


疑問に思っているとなにやら音が聞こえてきた。

その1つの音から次の音へ繋がって深みを増していく。

すると見に来た人々が徐々に話すのをやめていった。

やがて清廉な声が響いていく。

その言葉は感謝を含み、祈り願いを伝え、平穏である日々を想う。

そんな心を震わせるような感覚がする。


「うん。良かったね。こう。重厚感とか。リーティエ?」


「何?どうしたの?」


歌が終わりクラウディオが感想を述べてる時に私を呼ぶ。

目の前で話を聞いていたのにどうしたのだろうか?

疑問に思っているとクラウディオが自分の頬を指差す。

なんだろう?

私は自分の頬を触れている。

濡れている。

え?なんで?

私が泣いている。


理由が分からない。


「大丈夫?」


「あぁ。大丈夫。」


私は頬を拭う。


「良かった。あ!そうだ!せっかくだからブリターニに会いに行かない?」


「会いに?」


「そう。この感動はすぐに言わないと。鉄は熱いうちに打ててね。」


「いいけど。会えるの?」


「僕を誰だと思う。」


そう自信満々に言う。


「分かった。行こう。」


私はその申し出に了承する。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

私達は聖歌隊の皆が荷物置き兼休憩所にしてる所に来た。

聖歌隊は歌い終わったのかガヤガヤと話し合ったり飲み物を飲んだりしていて周りを剣を携えた軽装の騎士と思われる人が見張っている。

そんな状態なので私達が居る所からではブリターニの姿は見えない。


「いるかどうかわからないけどどうする?」


「では、世間知らずのリーティエに1つ伝授しよう。」


言い方にムッと来たが何も言わず任せる事にした。


「人に会いたい。ブリターニを呼んでくれないだろうか?」


クラウディオが見張りをしている騎士に呼んで来てもらうよう頼む。


「申し訳ありません。事前にお会いする予定のない人と合わせる訳には行かないんで。」


「そう。ちなみに僕の事は知ってるかい?」


「いえ。どなたなのか知りません。」


手早く失敗したけどこの後どうするのだろうか?


彼は騎士から離れて深呼吸をしてキリッとした顔をする。

何をするんだろうか。


「ブリターニ!会いに来たよー!」


周りにいた人々が一斉にこちらを見る。

なるほど。

阻まれて会えないなら聞こえるくらい大きな声を出して会う。

確かに合理的である。恥ずかしいという事を除けば。


「あ、あれ?2人ともどうしたんですか?」


クラウディオが叫んだ後にしばらくした後にブリターニの声が聞こえてきた。

しばらくして人々をかき分けてブリターニとブリターニと似た姿の少女が現れた。


「いきなり叫ばれてどうされたんですか?」


「何。歌が素晴らしかったからそれを伝えにね。」


「あの。歌?初めて聴いたけどその。凄かった。心が震わせるような感覚がして、その凄かった。」


私は言語化出来ない感覚をなんとか伝えようとする。


「まぁ。ありがとうございます。」


ブリターニは微笑みながらお礼を述べた。

何か違和感を感じるが。


「………………何か悩みでもあるのかい?」


クラウディオが尋ねる。

悩み?


「あの、お二人はどなたですか?」


ずっと後ろで控えていたブリターニそっくりの容姿で髪が背中まであるブリターニと違い首筋までの長さの髪の少女が尋ねてきた。


「あぁ、紹介が遅れて申し訳ない。僕はディオ。彼女は」


偽名。

彼は自分の身分を明かしたくないようだ。


「私はリーティエ。彼の同行者をしている。」


「同行者?友人とかではなく?」


「えぇ。私が見てないとこの街を破滅させる儀式をするからね。」


「えぇ?」


二人がクラウディオを怪訝な眼差しで睨む。


「嘘を言うなんて酷いじゃないか!?」


「私は嘘を言ってないけど。」


2人はさらに視線を鋭くした。

彼は咳払いをして話をする。


「何か悩んでる事があるのでは?」


「悩みですか………………。」


「さっきからなんですか!あなた達は清楚で気品があって清らかで歌えば半径2キロを清め曇天を晴らして世界を照らすお姉ちゃんの何を知っているんですか!」


お姉ちゃん。

という事は彼女は妹なのだろう。

…………何か前に長い愛情が着いているが。


「あぁ、当然だ。先あったばかりだから知らない事だらけだよ。アルモリカさん。」


「な!何故私の名前を知ってるんです!」


私も驚いた。

どうして彼女の名前を知ってるのだろうか?


「ただ、僕は感が鋭くてね。その表情は何か人に言えない事と見たけどどうだろうか?」


ブリターニが少し考えると何か結論に至ったのかクラウディオに視線を向ける。


「分かりました。ディオ様。少しお時間よろしいでしょうか?」


彼は了承すると少し歩いた場所に移してから話しだした。


「実は私、本当にこんな事で良いのかと思ってまして。」


「ふむ、どういう事だろうか?」


「本当にこのまま歌を歌ってるだけで良いのかなって?」


「なんで?お姉ちゃんの歌は綺麗で輝いていて心が洗われるようでいて自然と涙が出る歌なのに。」


「あははっ。ありがとうねアルモリカ。でも-」


彼女は少しためらってから話を続けた。


「本当にこのままで良いのかなて。」


このままで良い?


「このまま何も成せねまま、ただ歌が上手な人で終わって良いのかなって。」


「お姉ちゃん。」


アルモリカが複雑な表情で呟く。


このままで良いのか?

私から見たら注目されていて暮らしに不都合は無いように見えるし、家族がいる。

このままで良い気がするが、それは私の意見だ。


「...僕には答えが分からない。でも。」


クラウディオが真っすぐな眼差しでブリターニを見て言葉を紡ぐ。


「僕は答えを見つける方法は知っている。それは新しい事を見聞きする事だ。見つからないなら選択肢を増やしてある日選ばなくちゃいけない時に様々な事を出来る方がいい。とお姉さまが言ってた。」


「…………ふふっ。良い事言うんですね。貴方のお姉さま。」


ブリターニは口を押えて笑った。

ひとしきり笑った後話し出した。


「わかりました。私、色々と見てみようと思います。」


彼女は笑顔でそう答えた。

どうやら悩みが晴れたのだろう。


その後、二人を含めて教会の人たちが帰るとの事なので私達は見送ってその後、歩き周りその日は私達もお開きになった。

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『見つけた。見つけた。相応しい人間を見つけた。それも二人。あのマダメがぐうたらしてる間に見つけた。ふふっ。楽しみ。楽しみ。私の目的が叶う。叶う。』

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おもしろい事を聞いた翌日。

わしはあやつの所へメッセージを持って訪れた。


「おーい!坊主!会いに来たぞ!」


「…………レノックス卿。何しに来たのですか?」


面会室にて格子を挟んでレースドの坊主がいた。


「ふん。ちょっと話をな。」


「…………別にここで無くてもいいのでは?」


「まぁまぁ。良いじゃないか。それで王子の同行者と戦って縛られて騎士に捕まったて話じゃがどんな奴じゃった?」


「………………それは王子に聞けばいいのでは?」


わしは微笑んでごまかしてから理由を話す。


「わしが聞きたいのはその人物の人相では無く強さだ。それが気になってな。」


怪訝な目をしてこちらを見つめる。


「…………分かりました。何を考えているか分かりませんがお話しましょう。」


助かる事に渋々話してくれる事になった。


「まず、あの少女ですが戦いの手ほどきを受けてるようです。」


「ほう?」


「剣を持っていましたが今回は使わず足技を中心とした戦いをしていました。まぁ、私の華麗な鞭捌きを前に剣は無意味という判断は褒めましょう。」


こやつ、自信満々に言いおった。

いつも自信があるのがこやつの良いところなのだが。


「それからは私の鞭を剣に巻き付けて封じて勝てると思ったのか私に蹴りを繰り出して来ましたが大した事ない蹴りを受け止めてそれから無駄な攻撃を何度も何度も繰り出しました。当然その攻撃を私は難なく捌いたのですがその少女が無礼にも指を私に向けると突然太陽のような光が輝いたのですよ。」


「ふむ?突然輝いた?」


「えぇ、何をしたのか分かりませんね。それから私は忌々しい事に鞭で足を縛られてそのまま騎士に捕まったのです。出たら必ず見つけて酷い目に合わせてやりますよ。」


「そうか、ありがとう。」


わしはお礼を述べて面会室を出ようと、するが伝える事を忘れてたのですぐに出れるように扉の前で振り返る。


「そうじゃ。麗しのお方から伝言だ。お主、ここ数年命令を聞かずに働くから罰です。ちょうどいいので3ヶ月ぐらいそこで休暇を楽しみなさいじゃと。それじゃぁな。」


坊主の抗議の声を無視して良いものを聞けたことから笑いながら部屋を出た。

ただいまカクヨム版も公開中。あちらは聖王国も含める他に描き下ろしエピソードも公開。

また近況ノートには細かい設定も乗せる予定です。

ぜひご覧下さい。


あと。来週はお休みいたしますので次回更新は4/16になります。

しばらくお待ち下さい。

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