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はぐれ狼と◾️◾️と見習いシスター

暑い!

花粉やばい!

令和ー!

騎士とクラウディオの教育係から必死に逃げる。


「はぁはぁ。ここまで来ればもう大丈夫だろう。」


場所はよく分からないが大きな川に掛かる橋の手前まで来た。


「それにしてもあなたの教育係強いわね。」


「あぁ、なんでも代々皇族は問題が起きるからそれに対処するために強くなる必要があるんだって。」


王。国の明日を決める存在。

そんな一族なら命を狙われてもしょうがない。


「なんでも皇族を捕まえる専用捕縛術とか皇族を瞬時に眠らせる薬とかあるんだとか?」


「………………え?なにそれ?」


「まぁ、良いや。この話はおしまいにしよう。向こうに大きな公園があるからそこで休憩にしようか。」


色々と聞きたかったが話してくれなさそうだから彼の後に続いて橋を渡る。


「ねぇ。僕と共にいるという事は今後も同じ事が起きるけど大丈夫?」


歩いていると突然そう尋ねてきた。


「どうでもいい。私は昼食を奢ってもらえるからあなたに付き合っているだけ。それで私の目の前に敵が現れたら退ける。それだけ。」


「そうなんだ。頼もしいね。」


「それに私はどこに家があるか別ればすぐに帰るし。」


前を行くクラウディオが一瞬歩みを止める。


「...そうなんだ。君の家が見つかると良いね。」


クラウディオが何か含みがある返事をする。

なんだろう?

気になったが彼の個人的な事なので聞かない事にする。

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公園の広場は夏の熱気に負けない盛り上がりを見せていた。

広場には様々な人がいる。

球を投げてる人やなにやら不安定に積まれた物の上に逆立ちして乗っている人。

それらを見に来た大勢の人々がここに集まっている。


「それにしても人が多いね。」


私は緑の大きなキャップシカムに挽き肉入れた物を乗せたパンを頬張る。

ピリリとした辛味と肉の旨味が口に広がる。


「何かの催し物をしてるのかな?」


「ふ~ん。」


私はパンの残りを全て口に放り込んで咀嚼する。


「そこに水が売られてるけどいるかい?」


「?喉は渇いて無いからいらない。」


「そう……。」


彼がこちらを見つめる。


「どうしたの?」


「そのパン辛いから気を付けてて屋台の店主に言われてたけど大丈夫?」


「?」


「…………その様子からして大丈夫なんだろうね。」


彼は何かを察したような表情をしている。

何を察したのかは知らないけど。


「さぁ、寄ってらっしゃい。あなたの未来をこの預言の獣が占うよー!」


歩いてると偶然そんな声が聞こえて来た。

見ると男性が客引きをしている。

その側には木製の口を開けた龍を模した大きなレリーフが置かれていた。


「何あれ?」


「なんだろうね?」


不思議に思っていると客引きをしている男性がこちらに気付いた。


「お嬢ちゃん。お坊ちゃん。どうだい!この預言の獣は君達の未来を300クィドで占っちゃうよ〜!」


男性が胡散臭い感じで誘ってくる。


「どうする?」


「面白そうだからやってみようか。」


クラウディオはレリーフに近づく。


「どうすればいい?」


「この獣の口に入れて貰えば手に紙を置かれるからそれに未来の事が書かれてるからそのえら〜い教えに気を付ければ良いんだ。」


「分かった。」


クラウディオが小銀貨3枚を払うと口に手を突っ込む。

なんとなく口の中が気になって少し横に移動する。

口が着いた板の先は人1人が入れそうな骨組みにカーテンが掛けられて中が見えないようにしてる。

…………恐らく中の人が手に紙を乗せてるのだろう。

しばらくすると彼が何かを掴んで引き抜いた。


「何が出るかな?」


彼は折りたたまれた紙を開く。


「何々?素敵な出会いがあります?なんだろうか?」


中の人が適当に渡してるだけだからあまり気にしなくいいと言う言葉を飲み込んで見つめる。


「どんな素敵な出会いがあるんだろうか!?」


クラウディオが目を輝かせて紙を見せてくる。


「素敵な出会いをしてどうするの?」


「リーティエ。出会いは目的の為に行うのではない偶然行われるんだ。だから出会いに願望を抱くのはダメだって姉さんが言ってた。だから出会ってから考えるよ。」


「そう。」


「そうだ。リーティエもやってみたら?何かいい事が起きるかもよ?」


クラウディオにやるように促される。

どうしようか?


「お嬢ちゃん!悩んでるのならやった方がいいよ!どんな悩みも吹っ飛ぶから!」


今はこれをやるかどうかを悩んでるのだが、まぁいいか。


「はぁ、やる。」


私は小銀貨3枚を払って口に手を突っ込む。


何を貰えるのだろうか?

少し期待をしてると手を指が小さく温かい幼子のような手が握る。

中に居るのは子どもかな?

そう思っていると手に紙が載せられたので握って引き抜こうとした時にある事を思いついた。


「あれ?抜けない?」


私は口から手が抜けないように手を暴れさせる。


「………………え?」


クラウディオが分かりやすく目を見開いて驚く。


「抜けない!どうしよう!」


私は暴れながら空いている片腕を入れて袖のボタンを外す。


「おい!お前!何をして!」


「リーティエ!落ち着いて!とにかく落ち着いて!」


店主とクラウディオが慌てだしたので頃合いと判断して手を抜く。


私は驚かす為、手が無い(シャツの中に入れてる。)腕を見て叫ぶ。


クラウディオも私の腕を見て叫ぶ。


驚く彼を見れて満足したので拳を握った腕をシャツから出して冗談でやったと明かす。


「リーティエ!」


彼が笑いながら私を軽く叩く。


私も笑いながら謝る。


「それで紙になんて書いてあるんだい?」


彼に促され、笑いが引かない状態で折りたたまれた紙を開く。


みつけた


私は広場に響き渡る程叫び腰を抜かした。


『なになになになに!』


紙に大きくみつけたと大きく書かれていた。

誰が誰を見つけたの!

私!


「何!今度は何!?」


クラウディオがそう尋ねてきたので震える手で紙を渡す。


「…………ッ!」


クラウディオの顔が引き攣る。


「おい!お前!何をした!」


店主が口の方に怒鳴り込む。


「お、おい。なんだよ!」


口の中から男性が現れた。


「あ、あれ。私を触ったのは幼子の手で!」


「大丈夫ですか!?」


私達が恐慌状態に包まれていると銀髪に黒のベールを被った黒い服装の少女が状況確認に来た。

今回のパロディはどういう関係になるかを意図的に説明する為にやりました。

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