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温君と教育係と逃走

スタバの新作フラッペの味変の玉割りにくいですね。

今はヒビ入れてるそうですがどうなんでしょう?

「クラウディオ様!探しましたよ!さぁ帰りますよ。」


「………………クラウディオ。あの人は誰?」


「彼はエセルバート•レースド。僕の教育係にして代々、王家(我が家)に仕えてる一族の当主さ。」


教育係。


「クラウディオ様!こんな所にいてはダメです!帰って勉強をしましょう!貴方にはそれが必要なのです!」


「エセルバート。僕は市民の生活を知るためにここにいるんだ。民を知らぬ統治者なんて愚かではないだろうか?だから僕はここにいるんだ。」


「そんな事ありません!時に発展の為に犠牲は付き物なのです!その時に民の為に躊躇い犠牲を増やしてはダメなのです!だから民は人として見るのではなく数字として見るのです!さぁ!戻りましょう!ここにいてはダメになってしまいます!」


「クラウディオ。」


私は彼の前に出る。


「あぁ、任せたい。だが一つだけ頼む。彼は忠臣であるのは確かだ。命だけは奪わないでくれ。」


「わかった。」


私は剣帯から剣を鞘に入ったまま抜いて剣帯を腰から外し鞘から剣が抜けないように剣帯をきつく巻く。


「貴方?見ない顔ですね?名乗りなさい!それがマナーというものです!」


「リーティエ。彼の同行者。」


「おや?苗字を名乗らないのですか?まさか苗字が無いんですか?」


私は無言で答える。


「答えない。という事はそういう事なのでしょう。ならそこを退きなさい。貴族で厚い教育を受けた大人の私と子供で日々を暮らすのがやっとな貴方ではどちらが痛い目を見るかは分かるでしょう。」


「武器を持たない貴方が痛い目に見るんでしょう。」


「ふん。やはり幼い貴方は知らないのでしょう。」


そういってエセルバートは紐の束を取り、振る。

束は解け長い紐の先の部分が煉瓦の固い道を打ち鳴らし、辺りに音を響かせる。


「エセルバート•レースド。この王家の人々を連れ戻す為に洗練されていったこの軟便術(なんべんじゅつ)をお見せしましょう。」


『力よ!-ボンピィア-』


私は最初から強化の魔法を唱えて身体能力を上げる。


「はい!」


エセルバートが鞭という物を振ると長い鞭がゆっくりとした動きからやがて眼で追いきれない速さで振られた。

まずい。

私はその場を飛びのき避ける。


私がいた所から革が固い物を打ち付けた時になる独特の音が辺りに響いた。


「ほう。避けますか。ならこれはどうでしょうか。」


また鞭を振るってきたので避ける。

今度もちゃんと避けたが道を叩いたすぐに鞭を振るわれ、足に絡まった。

私はすぐにエセルバートに向かう。

足に絡まれて煩わしいがどうって事は無い。


「やはり。向かってきますか。ならばこうするまで。」


彼は片足を上げて鞭を絡めとりそのまま体全体を大きく回った。

それにより足を引っ張られて声を出して倒れてしまった。


『いったいなぁ!』


「分かりましたか?私にとって貴方に痛い思いをさせる事は容易いのですよ。」


エセルバートが少し離れた所で屈んで私にそう語り掛ける。


『舐めるな!』


私は鞭を足から外し、また彼へと走って行く。

今度は捕捉されないように左右に大きく動きながら近づく。


「ふむ。早い。こんな動きをする貴方を捕まえるのは大変でしょう。ですが。」


彼はそう言うと鞭を打ち鳴らし更に振り回す。

まるで鞭が見えない壁を形成して近づけない。


「ほら。近づいて来なさい。まぁ、臆病者な貴方では近づく事は出来ないでしょうが。」


彼が見え透いた挑発をしてくるがあれを何とかしないと私に勝ち目は無い。

だけど戦いで長々と考えるのは愚策だとお父様に教わった。

だから私は真っすぐ突っ込む。


「ふんっ。」


彼は私に鞭を振り下ろして来た。

今でも鞭の一撃を目で追えない。

でも今度はなんとか出来る。

彼の腕の振り方を見ればなんとなくどこから打たれるか分かるのでそちらに剣を向ける。

私の予想通りの方から鞭が打ち込まれて剣に鞭が絡み着いた。

これで鞭の壁が消えた。

そのままエセルバートに近づき、勢いのまま膝蹴りを繰り出す。


「ふむ。」


『なっ!』


エセルバートは私の膝蹴りを片手で受け止めた。

私は膝を力づくで振り払い蹴りを2回連続で繰り出す。

今度は軽々と片足で受け止められる。

私はショーテイを繰り出すが手を腕に添えられて受け流された。


なら!

私は目を閉じて指先をエセルバートに向ける。


『輝きよ!集え!‐ブリリエ‐』


「ギャァアアアア!」


私の魔法によって目を覆いたくなる程の光が発せられた。

エセルバートが怯んでいる隙に鞭が巻き付けられた剣を使って彼の体を鞭で縛る。


「うわわわ!」


エセルバートはバランスを崩し倒れてしまった。

さて、縛ったは良い物のどうしようか?


「リーティエ!不味いことになった。」


クラウディオが慌ててこちらに声を掛けたのでそちらに顔を向ける。


「騎士がこちらに来る!」


騎士。

都市の治安を担う者達。

何かあったなら利用しろ。

何か起こしてるなら逃げろとジミーさんに何度も言われてる。


「ここに居たら騎士に捕まる。行こう。」


「エセルバートはどうする?」


私はクラウディオに尋ねる。


「ここに置いていこう。」


「クラウディオ様!?」


「良いの?その大変だって聞いたけど。」


「あぁ。恐らく助けても帰ろうて言うだろうし、それに彼なら捕まってもすぐに出られるだろう。」


「お、お待ち下さい!クラウディオ様!騎士に捕まれば家名に傷が付きます!」


「大丈夫だ。」


クラウディオがエセルバートに微笑む。


「君の家は何代も騎士のお世話になっていると聞く。なら大丈夫だろう。」


うわー。

王族としてそれは良いのだろうか?


私が引いているとクラウディオが逃げたので私もエセルバートの声を無視して追いかけるようにその場を離れた。

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