温君と百貨店と革
最近アビドス篇3章読んでます。
良いですね。
イエツィア歴1837年8月
夏。
夏とは春と比べて温かく、日差しに照らされると元気が出る季節のはずだ。
この国の夏は気が滅入るような熱さに日差しがジリジリと刃を擦り付けるような感触を受ける。
それに太陽がより輝き見るのが余計辛くなる。
それに伴って私の格好も変わった。
家だとこの季節は半袖の青々とした若草色のドレスを着ていたが肌を出してると日光に寄って肉が火で焼けるように肌が焼けてしまうとの事。
なので私の今の服装は動きやすさを重視して男物の黒を含んだ青色の生地が薄いシャツを明るさを含んだ黒色の長いズボンに入れ、頑丈なブーツに石やゴミが入らないように足首を袖で隠す。
そんな格好に帯剣をして待ち合わせ場所であるチャタム駅のこの駅の路線を運営してる会社の社章であるドラゴンが描かれてる路線図の前で熱を冷ます為に魔法で作った氷が入った店で買った水を飲む。
今日はどこに行くのだろうか?
「やぁ。お待たせ。」
待っていると声を掛けられた。
声の方を見るとそこには帽子を被り、街中で育ちが良い所の少年が着てそうな白のシャツにループタイを付け、黒いズボンを履き、革靴を履いた姿のクラウディオがそこにいた。
「いや。大丈夫だ。」
「あれ?言葉が。」
彼は以前と比べて自然なしゃべり方になった私に驚きを見せる。
「あれから勉強してある程度喋れるようになった。でも、奥様からはその、ワンパク?、シュクジョ?じゃないて事でマナーや言葉遣い等も習っている。」
「はは。君なら出来るよ。僕が保証する。」
「あたり前だ。私はき...」
貴族であると話そうとして辞めた。
ダンフォード家で自分が貴族である事を話したが辺境伯という単語と家名が始めて聞く言葉との事で皆を困らせてしまった。
あまり街に出歩けない彼を今困らせるのも悪い。
「なんでもない。それより今日はどこに行く。」
「え?あぁ。今日は民の生活を見たいからこの近く店を見たい。だから近くの店に行こう。」
「では、行こう。」
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「今日はここに行こうと思う。」
私達は今プロンプトン・ロードの二股に分かれる道の手前にある茶色のレンガで作られた五階建ての大きな建物がそこにあった。
「ここは?」
「ハローズという百貨店さ。クローイ曰くここは流行の物や異国の物を取り扱ってると聞いた。ここなら知りたい事を知れると思ってね。
「知りたい事とは?」
「流行を知れば民が今後何を買うか分かると思ってね。」
「ふーん。」
流行。
クーちゃんが気にしてる物だ。
流行に乗った物を身に付けてると周りに商売の流れや情報を持っていると締めせる物。
なんと煩わしい物だと思ったがそういうものかと受け止めた。
「さ、中に入ろうか。」
「わかった。」
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「何故だ。」
グラウンド階(1階)を周った感想を呟く。
「なんで夏服が少なく生地が厚めの服を売ってるんだ。」
「なんでだろうね?もっと沢山店に置いておいて良いのにね。」
「説明しますザマスワ!」
『ウワァ!』
衣類の品揃えに疑問を持っていると見知らぬご婦人が突然話しかけて来た。
「秋物を8月に売るのは生産者が望む値段で買ってくれるお客さんは事前に準備して服を買う人ザマス。」
「へぇ、そうなんだ。他に何かメリットはあるんですか?」
クラウディオは普通に話してるがこの婦人は誰?
「他にも最先端のおしゃれなデザインを買えるというメリットもあり、そういった物はオーダーメイドの物でしか手には入れない素材や製法の物もあってお得ザマスわぁ。」
「なるほど!早く買うという事はそれだけメリットがあるという事なんですね。」
「ただ、遅く買うというのにもこの最先端の物を売るという心情の店にはある事に関して有効ザマス。」
「それは?」
普通に話してるけど誰?そのご婦人?
「それは値引きされて買える事。店も在庫は抱えたくない。でも処分するのも業者に頼まなくちゃいけなくてお金が掛かるなら値引きして売れば比較的利益になるでザマス。それにそれは例えお溢れであっても最新の物。それに触れた雛鳥はやがて空飛ぶ華麗な鳥に憧れて羽ばたくそんな……そんな……素敵な事がいつも起きてるザマス!」
…………見知らぬご婦人が1人で盛り上がってる。
私が引いていると離れた所で何か騒ぎが聞こえてきた。
なんだろう?
目の前の異常事態から目を背けると少し離れた所で何か言い争いをしてる。
「だ•か•ら!俺が買ってやるから!安くしろよー!」
「お客様。何度も説明をしていますがこちらのお値段は素材費、加工費、店の利益を加味した値段にございます。」
「俺の物の値段は俺が決める!」
「購入されてないのでお客様の物ではございません。」
男性と店員と思われる上品な格好の男性が言い争いをしていた。
なんだろう?
「たかりは許しませんワーーーー!」
「ウギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
「お客様ーー!」
突然私達の側にいたご婦人は風のように走り男性を体当たりの要領で何処かへ連れて行った。
なんだったんだろう?
「いやー。良い話を聞けたね。」
「ねぇ?さっきのご婦人誰?」
「あの話、経済学に似た所があったね。」
「ねぇ!誰!」
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不服ながらも1F(2F)を歩く。
「そう言えば君はいつも男物を着てるけど他の服を着ないよね。何かこだわりでもあるのかい?」
「スカートは動きにくい。」
戦う際、スカートは足を動かした時に絡まって煩わしい。
それにスカートはポケットが無いから余計に荷物を持たなちゃいけないから嫌だ。
「女性騎士とか冒険者はそういう人が多いて聞くね。どうせだから自分の着たい服が無いか見てみたら?」
私の着てみたい服。
そんな服あるのだろうか?
動きやすい服。
あまり派手では無い意匠。
でも、1番は-
そう考えながら周りを眺めてると一つの売り場で足が止まった。
「どうしたんだい?」
「ここを見ていきたい。」
私はそう言ってとある一角へと入る。
そこは数々の革が柄が見えるように置かれていたり丸められて山積みになっていた。
「こんな店に入るとは意外に君は裁縫が趣味だったのかい?」
「いいえ。この一角が他と比べて少しエーテルが濃いから。」
「?どういうことだい?」
「いらっしゃいませ。どのような御用でしょうか?」
私が布を眺めてると黒髪を7•3に分けてる男性店員が話しかけて来た。
「寒い所の魔物の革はある?」
「寒い所ですね?でしたらあそこのダルヴィックとブリョンドゥオゥスから捕れた物と数は少ないですがエメラルド島の」
話を途中まで聞いて見たことある魔物の革は無いか探し出す。
ないないない。
見つからない。
「リーティエ。何か探してる革があるなら店員に言った方が早いんじゃ?」
「革は探してない。ただ私が住んでた所にいる魔物を探している。」
「魔物を?」
「私が住んでいた場所の…………場所の魔物が見つければ家に…………家に帰れる。」
私が絞り出すように声を出すと彼は口を噤んだ。
その後も革を見るが私が見たことある魔物の革はなかった。
「お客様。お探しの物はございましたか?」
店員にそう尋ねられたので私は首を振って答えた。
「ほう。」
「申し訳ないのだが、他の革を見せてもらう事は出来ないですか?」
「大変申し訳ありませんが当店で取り扱っている商品は今店頭に出てる物だけになります。」
「そうなんだ。」
「ただ、あくまで当店はこれが全部です。」
その言葉に私は視線を店員に向けた。
「何か宛があるのかい?」
「はい。それはもうこのクラウディア随一の知識を持った人物です。」
「教えて!教えて!」
私は店員に縋り付く。
「お客様!落ち着いて下さい!」
店員に言われて逸る気持ちを抑えて離れる。
店員は咳払いをして話を続けた。
「それはこの店の本店で切盛りしてる親父ですね。」
店員はそう言った。
だが、その顔はなんだか嫌そうな顔をしている。
「その。お父上がどうされたのです?」
「おや-父は気難しい人なので。」
「気難しい?」
「はい。それは腕が良いのですが自分が売りたいと思った人にしか売らなくて……」
「こだわりが強い職人とは良い職人では無いだろうか。」
「はい。腕は良いんですが商売がからっきしで、母が色々と頑張って傾いていた店をなんとか持ち直したんですよ。」
「お母上は素晴らしい方ですね。」
「はい。今はゆっくり国中を飛び回っております。」
そう言ってレジの方に行き何か紙を持って戻って来た。
「こちらが本店のチラシになります。今日はお休みですので後日行く事をオススメします。」
店員がチラシを差し出したので受け取る。
チラシにはこのお店の名前と売っている物と宣伝、そして地図が描かれていた。
「父か兄にハローズは午前に日差しが差しますて伝えて下さい。そうすれば話は聞いてくれるでしょう。」
「わかった。ありがとう。」
私は頭を下げて感謝を伝える。
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その後、デパートを回り品物を見て昼食の時間になったのでデパートの5階で食事をしようとしたが混雑してたので外で食事をする事になった。
「クラウディオ。何かオススメはある?」
「この近くに情熱の国の料理屋が」
「クラウディオ様!お待ちしてました!」
デパートを出てすぐ近くの通りに入った時に突然そう声を掛けられた。
見ると通りの真ん中で眼鏡を掛けたキッチリとした白いシャツと黒いズボンを着て、腰に何か太い紐の束を下げた大人の男性がそこに立っていた。
「エセルバート。」
クラウディオがその名前を言い、ため息を吐いて顔を覆う。
どうしたのだろうか?
元ネタのデパートの昔の建物の記録が見つからなかったので現在の外観にしてあります。
まぁ、違和感ない外観なので問題ないと考えております。
革を売っていたとかの記述は無いのですが創作なのでご容赦を




