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温君とメニューと食事

祝しばらくギャグ出来そう。

「お邪魔するよ。」


クラウディオがそう言って店内へ入っていく。

店内はカウンター5席に壁際に2席の9人しかお客さんが入らない狭さだ。

だが、壁紙やテーブルなどの家具で落ち着いた雰囲気を出している。


「いらっしゃい。好きな席に座ってくれ。」


カウンターの内側の厨房から店主の男性がそう案内した。


「どこ。いい?」


「せっかくだから普段は絶対に座らない方がいいな。」


気になる事を言ってカウンターの方へ向かう。

まぁ、いいか。


そう思ってカウンターの椅子を引いて座る。


「え、あ、え?」


その驚くような声に彼の方を見ると席の脇に立っていた。

何故か身に覚えがあるような。


「くっくっく。()()()()()。好きに自分で座ってくれ。」


「あ、あぁ。そうだね。失礼。」


彼はそう言って慌てて座った。


「さて、今日のメニューは何かな?」


その一言に店内にいる私と店主が固まった。

どういうこと?


「あ、あぁ。この店はメニュー表から自分の食べたい物を選んで注文してくれ。」


そこで私はカウンターに立てかけられてるメニュー表を取り、クラウディオに渡す。


「はい。」


「これがメニューか。」


彼はメニュー表を受け取り眺めだす。

私も何にしようか?

しばらく悩んで決まったのでクラウディオの方を見る。


彼はゆっくりとメニューを見てページを捲る。

私はいつの間にか置かれていた木のコップに入った水を飲む。

ふむ?ここと食堂で飲む水は味が違う気がする。


一息つくともう一度彼を見る。

今度はメニューの最初のページを開き、また見ている。

何にするのか悩んでるのだろう。

それからボーとして時間を潰す。

しばらくしてから彼の方を見る。

彼はまだ悩んでるようだ。

そういえばこの地に来る前より魔法使った時にエーテルの消費が多いような気がする。

なんでだろうと考える。

しばらく考えてから彼の方を見る。

彼はまだ悩んでるようだ。

そういえばあの光る調味料。

食材に含まれてるエーテルによって輝きが変わるのだが食べる以外に何か使えるのでは?

しばらく考えてから彼の方を見る。

彼はまだ悩んでるようだ。

卵をかき混ぜるのって大変だからな「なぁ!ぼっちゃん!そろそろ決めてくれよ!」


画期的な卵の混ぜ方を考えようとした時に店主に怒鳴られた。


「嬢ちゃんもなんか言ってくれよ。」


「卵。混ぜる。大変。渦。ずっとある。混ぜる。楽。」


「卵をかき混ぜるのは俺の役目!2人は食べたいやつを食べるのが役目なんだよ!」


開店してすぐの客がこれかよと顔を手で覆って屈んだ。

何さ。卵を混ぜるのは大変なんだ。

混ぜ具合でオムレツの出来具合が違うから真面目にやらなくちゃいけないし、それを毎日何十個もやるんだから両腕がパンパンで仕方がない。


「あはは。すいません。何分初めてなもので何がなんだか分からずつい考えちゃって。」


「なんだ。なら言ってくれればそれにあった物を作るよ。」


「そうですか。」


そう言って考え出した。


「でしたら、この店で人気の物を下さい。」


「あいよ。お嬢さんは何にする?」


「キャップシカムとピパーのパルテノペア。アグリオ抜き、キャップシカムとピパー多めに。」


「アグリオは抜くけど他二つは入れすぎると体に悪いからそのままにするよ。」


そう言って調理に取り掛かった。

なんで。

ハドリーさんも体に悪いのと香辛料は高いからダメて注意する。

あの辛味はほっんと刺激的で素晴らしい。

アグリオのあの赤い炎のような色から出てくる辛味。

ピリリとしたあれは暗闇を照らす炎そのもの。

それにピパ―は辛味の後に爽やか感覚が病みつきになる。

苦境の後に訪れる快感。

あれが何の努力もなく体験出来るのだ。あれは本当に素晴らしい。


「君。こういうの慣れてるね。」


クラウディオがそう聞いてきた。


「私。食堂で働いてる。たくさん見た。だから出来た。」


「そうなんだ。あんなに強いからどこかの傭兵とかそういうのかと思ってたよ。」


「ヨウヘイ?」


なにそれ?


「すまない。忘れてくれ。そうだ。この付近に住んでいるのかい。」


「いいえ。ここ。見たこと。ない。」


そもそも私は乗車賃を払いに来ただけなのでこの辺の事は全く知らない。


「そうなんだ。このあとどこか行こうかと考えていてね。それがどこに行こうか全然思いつかなくてね。何かオススメな場所はないだろうか?」


「ふむ?」


オススメ。恐らく街をあまり出歩かない人に対して紹介する場所となるとどこが良いのだろうか?


地下闘技場?

イヤ。ダメだ。あれは彼のような身分の人に見せるのはダメだろう。

それに今はほとぼりが冷めるまで閉めてると聞いてる。

駅か?

さっき行ってきたし、それに見つかったら捕まりそうだからやめとこう。

となると


『教会。』


「教会かい?そういえば礼拝堂はあるから行ったことないな。何かオススメはあるかい?」


私は首を振って知らないと伝えた。

私はこの地に来てから救貧院にしか行った事ないし、そこも遠くそして-


「はいよ。お待たせ。熱いから気をつけてくれ。」


教会の話をしてる時に店主が料理を盛られた皿を3つカウンターに置いた。


「お嬢さんには注文通りパルテノペア。坊っちゃんにはこの店で人気の白身魚のフライとポテトのフライだよ。ソーセージはおまけだよ。」


私はパルテノペアが乗ってる皿を手繰り寄せる。

皿にはキャップシカムとピパーのパルテノペアが盛られており、その上にソーセージが載せられている。


さて、頂こう。

私は一緒に出されたフォークを掴み、麺状のパルテノペアを指し渦を作るようにフォークを回して巻取る。

この時、輪切りのキャップシカムを巻き込むように巻取り、頬張る。


口の中にピリリとした感覚と口の中を炙られる感覚が広がる。

美味しい。

味付けは塩と香辛料だけなのにパルテノペアの白紙のような何も無い味に絵の具のように味が広がる。

出来ればもっと辛く刺激的な方が好みだけど。


「どう?」


私は味の感想を聞く為にクラウディウスの方を見る。

彼は目を開きフォークに刺さった魚のフライから皿の淵を使ってフォークの先を抜く。


「どうしたの?」


「あ、いや。大丈夫。」


そう言って今度はポテトを食べる。

ゆっくり咀嚼し、複雑な表情をしてフォークを置く。

どうしたんだろう。


「店主。これはなんで人気なんですか?」


「人気の理由?なんかあんまり聞かないような事を聞くなぁ。」


クラウディウスは笑って誤魔化した。


「そうだなー。常連さん曰く上手くて安くて量があって食べ応えがあるんだと。」


「そう……なんですね……」


彼は落胆して表情を暗くした。

どうしたんだろう?

フィッシュアンドチップスはタルタルとビネガーを付けて食べる物がありますがビネガーかけるのが好きでそれとギネスのハーフパインがお供です。

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