幕間 種火は熱く強く
--------------------------------------------
--------------------------------------------
暗い暗い魔の物供が蠢く深い夜闇。
人が魔の領域を犯し出した時代。
それでも人という魔物は変わらず動き出す。
「撃て撃て撃て!撃ちまくれ!」
それは住民にとっては突然起きた。
最近は少なくなったギャングの抗争。
住民は巻き込まれまいと家に引き籠もり1,2時間後に来る騎士をただ待つ。
「ふーははっははは!誘い込んだんだかよー!当然お前らをミンチにする準備ができてるんだよー!」
ここを守っていた集団は襲って来た集団に対して杖を撃っていた。
その豪雨のようなビームのような魔力に襲って来た集団は何も出来ず追い詰められていった。
そんな時にスッと青く煌く一閃が走る。
カシャン!カシャン!
突然命を奪う雨が吹き荒れるなか不自然な金属がぶつかる音がなる。
すると魔力の雨は弱くなりました。
「おい!おめぇ!何手ぇ休んで」
そこで言葉が途切れた。
男が見た先には首と両腕がない体がまるで生前の動きを続けるように蠢いていた。
「ひぃいいいい!」
「なんじゃこりゃ!」
男たちはその異様な光景に恐慌状態へ陥る。
「はぁー。」
気だるげない溜息な後、また一閃が走る。
今度はここを守っていた男たちを一筆書きで描くように蒼い煌めきが走る。
「なぁ、なんか通らなかったか?」
「えぇ、何かありましたぜ。」
男たちは首だけを動かして周りを見る。
「お、スゲーじゃん!」
その声に男たちは一斉に声の方を振り返りました。
その時に不思議と柔らかい物が落ちたような音が辺りに響きました。
「穴籠もりの馬鹿が自慢してたから半分疑ってたが良いね!まるで空気をかき分けるように斬れちまったよ!なぁ?」
そう言って目の前の人だった物に問いかける。
男の目の前には上半身と下半身が別れた男たちだった物が何かを呻きながら苦しみに悶えてる。
「おーい!耳は斬ってないぞー!脳みそは下半身にあんのかー?」
男が何度も問いかけるも反応は帰ってきません。
「ふぅん?」
普段は興味を失い他の事をする男ですがこの時の男は違いました。
「おい、お前。」
男は近くにいた部下に声をかけました。
「はい。なんでしょうボス?」
「お前。これに触ってみろ。素手で。」
「は、え、い、え!?」
ボスと呼ばれた男の命令に彼はうろたえましたがボスの睨む目にすぐに手袋を投げ捨て断面に触れる。
「あつ!!!」
彼が触った断面は黒く何かが固まったような状態でまだ熱が残っておりました。
部下は泣きそうな顔をボスに向けますが彼はただ笑ってこちらを見てました。
「ひぃ!」
部下は慌ててまた断面を触りだしました。
今度はボスの機嫌を損ねないように感触を出来るだけ口に出しました。
「固くて!ゴワゴワして時々ブヨブヨして!それから!それから!」
部下が言葉に詰まっているとドンドン口角が下がっていきます。
そんな時、
「ボス!いましたぜ!」
「お?いたか。今行く。」
興味は移りその場から離れた。
案内されて向かった先にはここを纏めてる男性がこの前から行方不明になっていたボスの弟分の首に刃を当てて待っていました。
「兄貴。ガイの兄貴助けて下さい!」
「ふはははは!こっちには人質がいるんだよ!簡単に殺せると思うなよ!」
男はガイと呼ばれたボスにそう高らかに言い放つ。
その姿に周りの杖を構えていた部下達は何かを確かめるようにお互いを見る。
「はぁー。つまんねぇ。」
「な!?」
ガイの言葉に男性は驚いた。
「わざわざ呼び出されたからよぉ。パーティかと思ってきたのに何だこりゃ?俺の睡眠時間返せよバーカ。」
そう言ってガイは人差し指と親指を伸ばし、それ以外の指を握るように丸め、男たち二人へ向ける。
「やめてくれ!兄貴!」
人質にされている男が叫ぶ。
「殺さないでくれ!兄貴!」
「パリーン!」
陽気に杖が魔力を放った時に響く音を口から出し、その瞬間部下達は弟分ごと男を撃った。
その姿は二人とも顔から脚まで穴が空いており、どう考えても目覚めぬ悪夢へと誘われたようだ。
「ふわ〜。新しいおもちゃでの遊びも終わったから帰るぞ。」
ガイはそう言って部下を引き連れて自らの根城へと帰って行った。
ガイ•フォクシー。
後に皇国の未来を左右する人物になるという事を知っているのは私と彼と観客のみでしょう




